ネットスーパーの利用を促進するカテゴリーがある

 ここまでで、併用者の特徴を見ることで併用者として可能性がある人たちが分かったわけだが、ではどうやって併用させていくか。そこで、リアル店舗を利用する健康志向型の生活者をターゲットに、彼女らにネットスーパーも利用してもらうにあたって、ネットスーパーの利用理由になるカテゴリーを分析した(図表⑨)。

 

 すると、ネットスーパーの利用理由になるカテゴリーは、何と豆腐類、揚げ物、ちくわ、ジュースといった日配品だということが分かった。意外かもしれないが、普段からのリアル店舗での安心感がネットスーパーでもこのような結果になっていると考えられる。また、ついで買いに、かまぼことシリアル類を訴求することで、もう1品の客単価増が目指せる可能性があることが分かった。

 なお前述の通り、この事例はインテージSCIを用いて、西友を利用するモニターの購買データで分析したもののため、実際は各小売企業でどのような顧客ニーズがあり、ネットスーパーの利用理由になるカテゴリーは何なのかは、各社のデータも用いて個別に分析すると良い。

併用促進にSMの成長の可能性が見えた!

 小売業界を取り巻く環境はさらに厳しくなる様相である。この戦国時代で狙うは、お財布シェアの向上。そのための一つの事例としてインテージSCIを用いて、西友を利用するモニターの購買データから「同一チェーン内でのリアル店舗とネットスーパーの併用促進」の事例をご紹介した。

 キーワードは、「普段からのコミュニケーションで顧客満足度を高めておく」。ここでのコミュニケーションとは、文字や音声によるコミュニケーションだけに限らず、MD・品揃え・販促も含めたお客さまとの接点でどのようなコミュニケーションをするかということである。そしてそれが、まさにリアル店舗とネットスーパーの併用のキーになるという手掛かりを得た。

 今回は、SCIから西友を利用するモニターの購買データを用いたが、これがどの小売企業でも有効なわけではない。ぜひ自社で保有するデータや市場データ等を使い、狙うマーケットの状況に合わせてアレンジをしていってほしい。多くの企業が経営方針に掲げている”お客さま視点”の強化、それに基づく日常のコミュニケーションが成功のための重要なキーである。