「併用者」は金額が高く、回数も多い

「西友の店舗のみ利用者」が西友利用者全体の89%、「西友のネットスーパーのみ利用者」が5%、「併用者」が6%となっている。ここで注目してもらいたいのは、『併用者の購入金額構成比』である。何と6%しかいない「併用者」が、購入金額では全体の18%を占めているのである。

 次に、「店舗のみ利用者」と「併用者」の年間の1人当たり平均利用金額を見る(図表⑤)と、「店舗のみ利用者」の2万428円に対し、「併用者」は店舗購入で3万5198円と「店舗のみ利用者」の約1.7倍も利用している。さらにネット購入での3万8965円と合わせるとその金額は7万4163円に上る。

 利用回数(図表⑥)も同様で、「店舗のみ利用者」では年間22回(おおよそ2週1回ペース)に対し、「併用者」は店舗29回、ネット10回の計39回(おおよそ週1回ペース)と非常に高い利用状況となっていた。これはSCIの西友利用者の結果ではあるが、同様の傾向がリアル店舗とネットスーパーの両方を運営する他の小売企業でも確認されている。

   

 ネットスーパーに関しては、現実には店舗ピックアップ型の場合、どちらに売上げをカウントするかであったり、配送コストの問題などによって、売上げおよび運営に苦戦しているケースも見受けられる。しかしこの事例のように、リアル店舗とネットスーパーはそれぞれ独立させて考えるのではなく、むしろ併用促進をすることで相乗効果が出て、それぞれの利用率が高まり、結果としてお財布シェアを大きく高められることを考えれば、結果は自ずとついてくるはずだ。

併用促進に向けた手掛かりを見つけた!

 ここで同様にSCIの西友利用者のデータを使った事例でもう少し踏み込み、併用促進のための手掛かりを見つけてみたい。まず「店舗のみ利用者」と「併用者」の特徴の違いを性・年代/ニーズの2つの視点で分析した。

 

 まず、性・年代の特徴では、女性30代、40代、50代で併用者が多く(図表⑦)、SM利用の中心年代が併用していた。また併用者が非併用者と比べてどのようなニーズを持っているかを分析したところ、「商品を買うときはよく吟味して買う」「食を通じて健康になりたい」など、こだわりをもって買う傾向がある人たちが併用していた(図表⑧)。

 

 以上のように、SCIを用いた西友でのケースでは、リアル店舗とネットスーパーを併用する人たちは、女性30~50代で「食」に気を遣う健康意識が高い層(以降、健康志向型)であるということが分かった。