これまで“一から学ぶ「ビックデータ活用法」”と題し、小売業界(スーパーマーケット〈SM〉、ドラッグストア、コンビニ、ホームセンターをイメージしている)が直面する大きな環境変化の中で、保有・取得したビッグデータをどう生かしていくかを全6回にわたり連載した。

 変化に対応すべく日々チャレンジしている小売業にとっては、アタリマエのことも多かっただろうし、もっと取り組みを進めているところも多かったかもしれない。一方で、「そうは言っても、データ利活用にもっと踏み込んでよいのか、確信が持てない」「きれいごとを言っても、実態にそぐわない」という思いも持ったかもしれない。

 ただ、1つだけ言えることは、これを”やったらうまくいく””99%の確率でうまくいく”などということはないということだ。「自らどうなりたいか」「そのためにどうするか」を掘り下げ、その大きな戦略に基づき、各業務で計画を立て、実行し、チェックし、修正していくことをやり続けられるかに尽きる。

 つまり、成功には愚直なことをやり続けるという王道しかない。そのためには、生活者、自社のお客さまの実態を理解し、どこにどのような可能性/ポテンシャルがあるのかを知る必要がある。

 そこで今回は、『生活者の購買行動をひもとき、SMにどのような可能性があるのか』を実際のデータ等を用いながらお伝えする。そして、それが一歩を踏み出すための一助となればと思う。

小売業界はさらなる戦国時代へ突入

 まず改めて押さえておきたいのは、日本における人口減少という国家的な課題である(図表①)。この人口減少は既に小売業界に影響を及ぼし始め、将来に渡ってもさらに拡大していく。      

図表1.日本における将来人口推移・推計(出典:2015年までは総務省「国勢調査」、2016年は総務省「人口推計(平成28年10月1日確定値)」、2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果)

 この人口動態の変化から小売企業が押さえるポイントは下記の3つ(図表②)。

 

 つまり、過去、皆が前提としていた人口増を主因とするマーケット拡大がなくなり、『出店すれば売上げが上がる、働き手も潤沢にいる』といった状態はもはやなく、その状況はさらに悪化するということである。

 これは、小売企業にとって今以上の戦国時代に突入することを示している。既に多くの対策を検討し、行動に移している小売企業もあるが、特にリージョナルチェーンでは、自分たちのマーケットをより深く理解しなければ競争に勝てない。それは、「どのような生活者を相手にしているのか」はもちろん、「属する自治体がどのような方向を目指しているか」も含めてだ。

 例えば、中央に人や機能を集約していく”コンパクトシティ”を目指しているのであれば、「まいばすけっと」や「マルエツプチ」といった都市型の小型スーパーやコンビニ各社の動向を今以上にウオッチしなければならない。さらに人口構成がどうなっているかを加味し、宅配など買物環境をどう進化させていくべきかを他社の取り組みをコピーするのではなく、マーケットの状況に合わせアレンジしてくのだ。これからの戦国時代はそうした『自己調整・修正力』も求められている。