注目は人材派遣会社 サンケイの事務所

 なみのわガレージのシンボルとして、広島電鉄から寄贈された「70系電車」をステーションコートに配置し、広島ホームテレビの協力を得て、『AR三兄弟』(最新テクノロジーを使ったり使われたりしながら、あらゆるジャンルで昭和テイストを拡張する、やまだかつてない開発ユニット)が手掛けるプロジェクションマッピングも展開する。

 目立たないが注目されるのが、「ここからはたらくステーション」。広島の人材派遣会社サンケイの事業所で、仕事に関する相談窓口で、気兼ねなく足を運んでもらえるようカフェのような開放的な雰囲気だ。

 また、施設内で働く自社の派遣社員のケアも行い、さらに派遣社員を常駐させ、テナントで急きょ欠員が生じたときは対応も可能だ。おそらくこうした取り組みは初めてで、人が集まる商業施設の集客力に着目し、視点を変えれば新たなコンテンツも登場する可能性がある。

イオンは2011年にアウトレットをつくっていた

 国内初のアウトレットモール「リズム」が登場したのが1993年。それから四半世紀、日本ショッピングセンター協会によるとアウトレットモールは全国に37カ所。三井不動産の「三井アウトレットパーク」が13カ所、三菱地所・サイモンの「プレミアム・アウトレット」が9カ所で半数以上を占め、2強の存在となっている。

 イオンのアウトレットモールへの参入として注目されている今回の出店。イオンは実は、2011年4月に国内最大級の商業施設「レイクタウン」(埼玉県越谷市)に、141店舗からなるアウトレットモールを設けている。しかし、アウトレットショップを並べたノーマルなものだった。

 これに対し、「ジ アウトレット ヒロシマ」はアウトレットモールをメインに、さまざまなコンテンツを組み合わせたハイブリッドな広域型の複合商業施設。

専用品も登場し、アウトレットの魅力が薄れていた

 アウトレットモールはサンプル品、型落ち品、B級品などを取り扱い、在庫処分の機能も有し、消費者にとっては通常のレギュラー店ではありえない価格の安さが魅力で、宝物を探すようなエンターテイメント性のあるショッピングとして楽しまれてきた。

 しかし、アウトレットで販売することを目的に作る専用品も登場し、その魅力が薄れてきているのも事実である。そして、ネットの攻勢がますます高まる中で、既にネット上でもアウトレットが登場している。

 こうした問題にいかに対処し、そうした状況の中でアウトレットモールも決して安泰ではない。アウトレットモールの出店余地が狭まる中で、アウトレットモール自体の存在意義も問われている。

イオンのアウトレット、今後はアセアン、中国?

 その中で、車で110分圏を対象にしながら国内外の観光客の取り込みを目論む「ジ アウトレット ヒロシマ」は、アウトレットモール自体は従来の手法を踏襲し、新たなコンテンツは登場していないが、これからはイノベーションも必要となろう。

 今回のアウトレットモール出店は物件ありきの側面もあり、今後、立地によっては考えられるが、イオンモールがこれを契機にアウトレットモールに本格参入するということにはならないだろう。むしろ、アセアン、中国のアジアでの展開の可能性が高いのではないかと推測される。

単にアウトレットモールの文脈の範疇でとらえるのではなく、リアルな商業施設がどうあるべきかを示唆するものとして、これからも進化の過程を見守っていきたい。