4月27日オープンした中四国最大級のアウトレットモール「THE OUTLETS HIROSHIMA(ジ アウトレット ヒロシマ」(広島市佐伯区)は単なるアウトレットモールではない。

 

「アウトレットをもっと自由に」という考えで、シネマコンプレックス、アミューズメント施設、アイスリンクといったエンターテインメント、イオンリテールのスーパーマーケット、フードフロアがある複合施設だ。

 さらに「イオンモールだからできる地域創生型商業施設」として、「地域との出会い」の機能を用意。広島を代表する食の編集ゾーンや瀬戸内・山陰エリアの名産品を集めたショップなどを集積するゾーンを1階に展開している。

食物販の編集型ゾーン「よりみちマルシェ」

「よりみちマルシェ」は地元客と県外や国内外の観光客に対応する16店舗で構成されている食物販の編集型ゾーン。商品が映えるように全体的に白を基調とした空間で、イートイン席も約50席設けている。

 食物販では、「瀬戸内TRIP(トリップ)」が広島県の各自治体と連携し、瀬戸内・広島の名産品を集め、農産物や海産物の加工品を中心に菓子などを販売する。「久世福商店」と「サンクゼール」はアウトレット業態で出店している。

 スイーツはケーキとチョコレート「パティスリーMATILDA(マチルダ)」が手掛ける「marco Chocolaterie(マルコショコラトリー)」とワッフル・バームクーヘン「 櫟kunugi」の地元の人気店が出店。広島名物の「もみじ饅頭」は「にしき堂」と「藤い屋」が隣り合わせで店を構えている。

 台湾の人気タピオカドリンク専門店、「KOI Thé」(沖縄に続いて国内2店舗目)、添加物等無添加のプレミアムアイスクリーム「ハンデルスアイスクリーム」は中四国初出店となる。

「なみのわガレージ」はスタイル提案ゾーン

 よりみちマルシェが食をテーマにしたマーケットなのに対し、「なみのわガレージ」は「暮らし」や「コト」のスタイル提案ゾーンで、広島・瀬戸内の文化、魅力が体験できる集いの場としての機能を備えている。

 地域創生型商業施設として中心的役割を果たすのが、「SAKKA ZAKKA(サッカザッカ)。職人やアーティストと連携し、瀬戸内・広島のものづくりやカルチャーを集積・発信する「ヒト」と「モノ」がつながる場所の機能を有するセレクト編集型ショップだ。

 広島のイベント企画会社ブレイブアップが運営しており、こうした店舗を手掛けるのは初めて。瀬戸内TRIPを運営するダブルオーもラーメン、居酒屋、カフェなど飲食業を中心の地元企業。いずれもイオンモールとは取引があり、今回の出店となり新たな挑戦となる。異業種からの参入がどのような化学反応を起こし、結果を生み出すのか注目される。

地元企業の出店が地域経済振興につながる

 広島の大型専門店も出店している。広域型の商業施設では国内勢のカーディーラーは珍しくないが、「コンクエスト」は「アウディ」「フォルクスワーゲン」「ジャガー」など8ブランドが見られる地元の外車カーディーラー。

 大型書店「フタバ図書」は、雑誌、生活書、雑貨などを一堂に集めた「フタバスタイル」を展開、新しいライフスタイルを提案する。

 こうした一連の地元企業の出店は、地域色を打ち出し魅力を高めて集客するだけではなく、地域経済振興にもつながる取り組みとなっており、商業施設の役割として果たしていくべきものの一つ。もちろん、そこでは採算を重視しビジネスとして成立することが第一である。

 一方で玩具「トイザらス」、雑貨「東急ハンズトラックマーケット」、楽器「島村楽器」といった全国チェーンも出店して売上げの実を取り、安定的な賃料収入を確保する。