東京・大塚の北口エリアが大きく変貌している。5月9日に星野リゾートの都市観光に特化したホテルがオープン。隣接する一画に古民家を再生した飲食店街が誕生。それぞれコンセプトが明快な施設の相乗効果によって、町の魅力が高まり、それを目的として人々が集まるという可能性を示している。

旅のテンションを上げる都市観光ホテル

 このエリアはJR大塚駅北口から徒歩1分で、駅から高層のホテルとレトロ感のある飲食店街がテーマパークのように見える。

OMO5

 ホテルは「星野リゾート OMO5 東京大塚」(おもふぁいぶ/以下、OMO5)といい、星野リゾートの新コンセプトで4月28日にオープンした北海道・旭川に次いで2つ目となる。

 OMO5のブランドコンセプトは「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市観光ホテル」ということ。いわゆる都市ホテルやビジネスホテルでもない、「旅先をまるごと楽しむディープなご近所の魅力と、お茶目な仕掛け満載のホテルスティ」を提供するというものだ。

 客室は125室で、全室が最大4人利用となっている。室料は2人利用の場合1人7000円からとなっている。フロントはビルの4階にあり、ここにはパブリックスペースの「OMOベース」とコミュニケーションゾーンの「OMOカフェ」がある。

客室の2段ベッド下
OMOカフェ

 OMO5ではホテルを中心とした街全体を一つのリゾートとして捉え、ゲストにはどんどん街歩きを楽しんでもらおうと想定。このサービスを「Go-KINJO(ゴーキンジョ)」と呼んでいる。

ご近所マップ

 まず、4階のエレベーターホールへつながる通路に縦2m×横3mの「ご近所マップ」を掲示。

 ここには、ご近所の名所やナイトスポットとして名物ママのいるスナックやジャズ、フレンチカンカンの店などを詳細に紹介している。

OMOレンジャー

 ここで紹介された魅力を存分に楽しめるように、「友人みたいなガイド」の「ご近所専隊『OMOレンジャー』」が在中し、街歩きをサポートする(一部有料)。

 そして、パブリックスペースでは「ご当地ワークショップ」をうたったイベントを随時開催し、ゲストとご当地との交流を図ることを計画している。

 このホテルが誕生した背景について、星野リゾート代表、星野佳路氏はこう語る。

星野リゾート代表の星野佳路氏

「当社の各施設にいらしていただいている皆さんは、時には都市に観光目的で滞在されています。日本各地の観光地と同じように、日本各地の都市にはそれぞれ違った文化や風情があり、旅する魅力があふれているからです。しかし、都市にあるホテルの多くはビジネス客の方だけを向いています」

「観光客はビジネス系のホテルに間借りしていて旅のテンションは下がっているはずだ、という仮説が生まれて、観光客のことだけを考えたら、都市ホテルはどう変わることができるのだろうかと考え始め、このホテルのコンセプトが誕生しました」

 OMOは日本の都市観光をインバウンドだけではなく在日の人々にも視点を当てることによって、宿泊業の可能性を広げている。