店舗には売るための計画がいろいろありますね。それらは大きく3つに分類されると考えています。販売計画には特定の商品の売りたい数量の計画、売らねばならない数量の計画があり、売場計画は全商品の売れる数量を予測する計画です。販売計画には強い意志が必要で、売場計画には的確な予測が必要になります。

販売計画と売場計画では対象も異なる

 販売計画では重点商品、または売り込み商品が対象となります。重点商品はその目標売上構成比を達成する数量を割り出し、その数量を売るのに必要な売場展開を計画します。売り込み商品では売りたい数量を通常の2倍〜3倍と決め、必要な売場展開を計画するのです。

 売場計画では、全商品について欠品、在庫過多が発生しないように、売れ数を予測します。そのためには売れる数量を左右するコーザルデータの収集が重要になります(コーザルデータとは特売/定番等の自店の売り方情報、地域催事、天気、ライバル情報等が代表例です)。

「金額主導の販売計画」と「数量主導の販売計画」

 販売計画には、『目標金額を上乗せする販売計画』と『単品売り込みする販売計画』があります。前者の目的は『目標金額の上乗せ』ですから、金額を先に考えます。この計画を金額主導の販売計画と呼びます。〈図−1〉

 この金額主導の販売計画では、まず①の合計欄に計画金額5万円が入ります。その後、5万の売上高をつくる商品が選択され、②欄に商品名が入ります。例えば、A商品、B商品、C商品と3品入ります。そして、A商品で2万、B商品で2万、C商品で1万と計画金額欄が埋まります。

 この金額計画を具体的にするため、商品ごとの計画金額をそれぞれ売価で割り算し、必要数量を出し、計画数量欄③が埋まります。その後、その数量を売るために必要な売り方を考えるのです。

 一方、後者を数量主導の販売計画と呼びます。目的は『単品の売り込み』です。〈図−2〉

 この数量主導の販売計画では売り込みたい商品から決めますから、①商品名欄から埋まります。その次に売り込みたい数量を決めるので②商品別の計画数量欄が入ります。そこには100個売りたい、200個売りたい等の数字が記されるはずです。そして、その数量を売り込むために必要な売り方を考えます。最後に、その数量を売った結果、そのくらいの金額になるかを知るため、数量と売価を掛け算し、合計計画金額③を足し算して算出します。

 

同じフォーマットでも考える順番、丸い数字に違い

 このように、金額主導の販売計画では、「合計計画金額」→「商品名」→「計画数量」の順番で考えていき、数量主導の販売計画では「商品名」→「計画数量」→「合計計画金額」の順番で考えるのです。同じフォーマットでも、目的が違えば、考える順番は違うのです。

 金額主導の販売計画と数量主導の販売計画の計画数値に特徴が出てきます。金額主導の販売計画は目標金額から考えるため、合計計画金額や、商品別計画金額が丸い数字になります。具体的には合計計画金額で5万、商品別計画金額では2万、1万となるのです。また計画数量は計画金額を各商品の売価で割り算しますから、やたら細かい数字になるのです。

 一方、数量主導の販売計画では商品ごとの計画数量から考えるため、計画数量が丸い数字になります。具体的にはA商品で100個、B商品で200個となるはずです。また、計画金額は商品ごとの数量と売価で掛け算をするので、細かい数字となります。

販売計画書を見れば「考えたフリ」かも分かる

 従って、販売計画書の計画数字を見れば、どんな目的で、どんな順番で計画を考えたかが分かるのです。

 ちなみに、販売計画を考えたフリをしているチーフも販売計画書を見れば、分かります。そのチーフの販売計画書の数字は計画数量、計画金額、両方ともやたら細かいのです。

 計画数量、計画金額、両方とも数字が細かい理由は先週または先々週の販売実績を計画欄に転記しているからです。実績を計画欄に記入して販売計画を考えたフリをするのです。数値はうそをつきません。その数値の背景を読み取れば、どんな目的、どんな順番で考えたかが分かるのです。