お客さまに気を遣わせないで!

 お客さまは、私たちが思う以上にめちゃくちゃスタッフに気を遣っています。例えば自分の欲しい商品のサイズが店頭になかったら、本来は補充を忘れていたとしても『店頭に出ていないってことは、人気で売れているってことかな?』と解釈します。

 セール中にボトムスの試着がしたくても、忙しくてテンパっているスタッフには『順番待ちそうだし、言い出しづらいな~』と思い、諦めて商品をラックに戻して、店を出ます。

 お客さまにそんな気を遣わせないでください。気遣うのは販売員の仕事です。そんなだから心置きなくゆっくり商品を比較検討できる、ネット通販に売上げが流れていくのです。

「あそこに行くと話を聞いてもらえる」「今週は疲れたからご褒美に新しい服を買おう」というように、ショップはある種の癒し要素を持つ「パワースポット」であってください。ショップ全体の士気が低くてすぐには無理なら、まずはあなたがパワーパーソンになってください。 

 とはいえ、無理に楽しくしようとすると、身体も心も壊します。「いらっしゃいませー!新作多数入荷しております、どうぞお立ち寄りくださいませー!!」なんて、聞き飽きて誰にも刺さらない声を無理して張り上げなくていいです。

 売るための技術がないなら、人混みであふれる新宿駅で、知らない人から道を聞かれるレベルの「感じの良さ」をまずは毎日キープしてください。それだけでお客さまから話し掛けられる率が上がります。声掛けられ率が上がれば接客につながる率が上がり、接客回数が増えれば売るチャンスが増えます。確率論です。

 売るためのノウハウも、知識も、技術も、「やろう!楽しもう!」という意思や覚悟が根底にあってこそ、生きてきます。順番は、「売れるから楽しい」ではなくて、「楽しいから売れる」のです。楽しい気持ちは誰かに与えられるのではなく、自分で作るんです。商品や立地なんて不確定で自分では決められない外的要因に作用されないで、内的要因を大切にしてください。