長期休暇が取りにくいファッション業界では、いつも働きたくない万年五月病が多いのではないでしょうか。そんなとき、仕事のできる人や売れている販売員はまぶしく見えます。彼らは呼吸をするかのようにセット販売を決め、簡単に売っているように見えます。販売の神様がついていて、天性の才能や運すらも味方しているように思えます。

 でも実際には、そんな人はほんの一部です。仮説を立て、試行錯誤しながらやってみて、たくさん失敗して、ようやくそのうちの一つがヒットする。でもヒットは長くは続かないからまたトライして、の繰り返し。

 売れている人は誰よりも売ろうとしているし、あなたよりも仕事のできる人は少なくともあなたより仕事をしています。これは私が10年間働いてきた中で見えてきた間違いない法則です。でも私がこのことに気付くのは、いつも少し遅めでした。

 誰よりも仕事をしていた上司たち

   最初に気付いたのは、所属ブランドの廃止が決定し、店舗を順次撤退するスケジュールを立てていたときでした。当時の直属の上司が「この日程でいこうと思います」と出してきた計画書には、何とほぼ全店舗に上司の名前が入っていました。

   私もビックリしましたが、課長も「おいおいジョニー(あだ名)、ほぼ全店舗じゃん、ちょっとこれは体が大丈夫?」と心配するほど。

   店舗のクローズは大量の在庫をパッキンに詰めたり什器を移動させたり、体力的にも肉体的にも、何より精神的にもやりたくない仕事です。でも営業担当だった彼は、働いてくれたスタッフと一緒にショップの最期を見届けるのだと覚悟を決めていました。

   また、別の上司とはこんなエピソードもありました。新規サイトを立ち上げるということで私が更新担当になり、毎日3記事程度上げるという指示の下で更新をしていました。おかげでサイトのアクセス数も徐々に伸び、「私が毎日投稿しているからだな」なんて内心ニンマリしていました。でもある日、上司に「これ便利だから覚えておくといいよ」と、グーグルの「サーチコンソール」という機能を教わりました。

 かいつまんで説明すると、新規サイトは認知度がないためユーザーに検索されるまでに時間がかかり、その間は存在しないことになっているのです。

 そのため上司は少しでも早く検索結果でサイトが上位に出てアクセス数が伸びるように、私が帰宅した後で、毎日一つ一つ私の投稿した記事を「サーチコンソール」を使ってグーグルに登録していたのです。何のことはない、確かに私の記事がなければアクセスはされませんでしたが、上司がコツコツ裏で作業していたからアクセス数が増えたのです。

 言うまでもないですが、どちらの上司も非常に多くの部下やスタッフに支持されていました。彼らは性格は全く違いますが、自分の仕事を超える働きをして、その結果ものすごく信頼を得ていました。