自社開発のショッピングセンターへの出店。建物はテナントのドラッグストアやヘアカット専門店などと一体化した長屋形式にすることでコスト削減を図った。(エクスプレスマーケット)

 必需品の食を担うという性質上、スーパーマーケット(SM)の売上げは比較的安定的だとされている。しかしながら、人口減と高齢化が進む中、特に地方を中心に需要の減少が深刻化。生き残りを懸けた「シェア競争」の時代を迎え、改めてドミナントの重要性が高まっている。その鍵を握るのが、「マルチフォーマット」だ。

アイテムを絞り込み、補充や加工のコスト削減を図ると同時に、お客にとっては分かりやすさや買いやすさを高めるといった効果を狙う。「ぱっ」と買えるように、売場ではところどころに「Pa!とプライス」と書かれたPOPを設置。フォーマットの性質を象徴している。(エクスプレスマーケット)

 アクシアル リテイリンググループの原信が、3月24日、小商圏をターゲットとした新フォーマットの1号店となる城岡店をグランドオープンした。フォーマット名は「エクスプレスマーケット」で、コンセプトは「簡便」「快適」、そして「高生産性」。売場づくりやレイアウトも、そのコンセプトに基づいたものとした。

 マーチャンダイジング(MD)の競争力を落とさずに、コストを削減するなどして生産性を上げることで、相対的に少ない売上げでも成り立つフォーマットを目指す。既存店のすき間を埋めながら、全体の効率を上げるという、ドミナント戦略に基づく出店である。

 店舗面積を最近の新店としては小ぶりの約560坪とし、さまざまな形でコスト削減を進めることで年商予定を既存店より2億円ほど低めの15億円の水準に設定している。

青果などでは、平台の陳列も簡素なものにすることで、陳列時間の短縮化を見込むと同時に買いやすさの要素も強化。什器自体のコストも7掛け程度で済む。(エクスプレスマーケット)
既存店でも展開する「サラダ」関連の商品を集積させた売場を設置。ただし、アイテムは絞り込まれている。カットフルーツではアウトパックにも挑戦している。(エクスプレスマーケット)

 

河渡店は、原信を核店とするネイバーフードショッピングセンターとして2002年10月にオープン。その後、隣接地にホームセンターのコメリもオープンし、両者を合わせ約4万坪の敷地に合計約2000台分の駐車場を抱える大商業集積を形成している。

 城岡店オープンの約1カ月後、4月21日には新潟市東区の河渡店をリニューアルオープン。こちらは旗艦店フォーマットとなる「セントラルマーケット」の2号店として店舗面積を従前の626坪から919坪にまで拡大、強化中の健康・時短ニーズへのさらなる対応や、サラダ、魚惣菜、肉惣菜など部門の枠を超えた食シーン連動型の売場づくりを進化させるなど新規MDも数多く投入している。年商規模では35億円以上を想定する。

 セントラルマーケットは、15年10月に長岡市内の川崎店のリニューアルに際して冠されたフォーマットで旗艦店の位置付け。川崎店では売場を600坪タイプから700坪タイプへと増床し一定の成果を得たことから、今回はそれをさらに進化させようと取り組んだ。

売場先頭の島型ケースで展開されるサラダ関連の商材を集積した「365×3 サラダライフ」。食卓シーンの売場づくりの一環。今回、味の差別化を図るために店内加工のポテトサラダを新規投入。(セントラルマーケット)
インストアベーカリーではナポリピザやデリホットサンドを売り込む。カフェとの連動も図られている。(セントラルマーケット)

 

 今回の一連の出店は、原信にとって大きな意味を持つものだ。小商圏をターゲットとしたエクスプレスマーケット、旗艦店のセントラルマーケット、標準店という3つのフォーマットがそろったことを意味するためで、シェアを高めていくためのマルチフォーマット態勢が整ったことになる。