25年までにコンビニ各社の全ての取扱商品に電子タグを利用することになっており、ローソンではその決済機器として「レジロボ®」を導入し、実証実験を続けている。

 ローソンは2018年4月23日から5月31日までの期間限定で、東京都内の3店舗において、セルフ決済サービス「ローソンスマホペイ」の実証実験を開始した。

 ローソンはこれまで深刻化する人手不足への対応や、店舗業務の効率化を目指すため、IT技術を活用した買物の利便性向上や、店舗の生産性向上に向けた取り組みを進めてきた。 

 2016年12月には業界初の完全自動セルフレジ機「レジロボ®」の実証実験を実施。お客は入店後、専用のカゴ(スマートバスケット)を持ち、購入する商品のバーコードをカゴについているバーコードリーダーでスキャン。買物が終わったら「レジロボ®」にカゴごとセットしてスピード会計し、カゴを取って自動的に袋詰めさた商品を持ち帰るという仕組み。17年2月からはRFID(電子タグ)を導入し、商品スキャンなしの実証実験を実施した。この他、AIを活用したセミオート発注システムなどに加え、東京都内にある「ローソンイノベーションラボ」ではIT技術を結集した店舗業務効率化の実験を続けている。

実験店で滞在時間が1分に短縮

 今回の「ローソンスマホペイ」のシステム開発の背景には、レジ会計の待ち時間に対する不満があり、中には行列を見て入店しない人もいることがある。「レジロボ®」の導入は混雑を緩和してストレスを感じないで買物をしてもらうことが目的だが、お客自身で操作するため、慣れていない人は会計のスピードが遅くなり、逆に「レジロボ®」にお客が並ぶという事態が発生した。

 これを解消する方法として、レジを通さないで会計する無人決済に着目し、半年前、「無人決済プロジェクト」を立ち上げ、今回の実施に結びつけた。無人決済はいろいろなやり方があるため、中国やアメリカを視察・調査。いくつかのプロトタイプをつくり、その中からローソン店舗で最適な決済サービスとして選んだのが「スマホペイ」。ローソンのIT子会社であるローソンデジタルイノベーションがアプリの開発を進めた。

 今回の実証実験に先駆けて、ローソン本社のあるビル1階のゲートシティ大崎店で社員限定の実験をしたところ、実験前は入店から退店までの滞在時間の平均は3分(昼のピークでは5分を超えた)だったものが1分ほどに短縮(実験では1日数百人の社員がスマホペイを使用)。これにより、一般客のレジ待ちが改善され、客数増につながったという。

深夜にレジ無人化の実験も

スマホで商品バーコードをスキャンし、買物が終わったら売場のどこでも決済できる。

 スマホペイの利用手順はこうだ。

決済後に表示されたQRコードを店頭に設置してある専用機で読み込み、退店へ。今の段階は照合用のタブレットだけなので、通信システムの運用はレジロボより簡単で、ハードのコストも圧倒的に安い。

 ローソンアプリをダウンロードし、ピックアップメニューでローソンスマホペイをタッチ。ローソンIDでログインし、店舗を選択。

 入店後、購入する商品のバーコードをアプリ専用のリーダーで読み込むと、カート画面に1品ずつ登録される。登録時点で(あるいは最終決済時)返品もできる。

 次に決済画面に進み、レジに並ぶことなく、売場でスマホを操作して自身が利用しているJCBなどのクレジットカードや楽天ペイ、アップルペイで支払い(セキュリティコードの入力が必要)。

 決済後に表示される退店QRコードを、店頭に設置してある専用機で読み込むと退店画面に進み、買物が完了。購入履歴から電子レシートを確認できる。

 なお、年齢認証が必要な酒、タバコはスマホペイでは購入できないように制限している。カウンターFFでバーコードを付けているものは購入できるが、注文してからつくるものは購入の対象外。コーヒーはバーコードの読み込みができるセルフのコーヒーマシンを入れており、購入できる。現状はシンプルなメニューに絞っているが、メニューの多様性とスピードのバランスをどうすればいいのか検証課題になっている。

 今回は、日中の時間帯はスマホペイと有人レジを併用することで混雑緩和を目的とした実証実験を行う。深夜では、お客が少ない時間帯の午前1~午前4時に限って従業員のレジ作業の軽減を目的に、レジ無人化の実証実験を行う。酒など年齢認証が必要な商品の購入では、お客が呼び鈴で従業員を呼び出すなどで対応。つまり完全な無人化ではなく、店舗の従業員は品出しなどの作業を行う。レジ会計業務が少なくなることから他の業務に専念でき、効率化により生産性向上が図れる。

 中国ではスマホ決済が進んでおり、上海のローソンではこの仕組みを1年半前から導入を進め、3カ月前に全店導入。中国では8割が電子決済で、現金が2割。日本は8割が現金で、2割がクレジットカードを含む非現金の決済。スマホペイの取り組みは電子決済の比率を上げていくチャレンジとなる。