ZOZOSUIT公式サイトより

 4月27日の決算会見では「ZOZOSUIT」の開発失敗を認める一方、新「ZOZOSUIT」の600万〜1000万枚配布とPB拡大を軸とした21年3月期売上げ3930億円/営業利益900億円という壮大な中期計画を打ち上げたスタートトゥデイだが、果たして成算はあるのだろうか。

 

ファッションECのガリバー企業

 18年3月期は取扱総額が前期から27.6%増の2705.4億円、売上高が同28.8%増の984.3億円、営業利益が同24.3%増の326.7億円とファッションECモールでは突出し、衣料・服飾EC市場(1兆6454億円/経済産業省EC調査17年度)の16.4%も占めるガリバー企業のスタートトゥデイだが、このまま成長を続けて圧倒的支配を確立するのだろうか。

 店舗小売業のように在庫が分散しないECでは取扱高規模にスライドしてフルフィルコストが急速に低減していく。そのスケールメリットは当社が集計した各社のデータから推計すると、取扱高10億円で35%→100億円で25%→1000億円で15%と加速度的だ。2700億円を取り扱うスタートトゥデイのコスト競争力がいかに突出したものか推察されよう。

 ファッションECモールの競争者はマガシークやショップリスト(クルーズ)など取扱高はスタートトゥデイの十分の一以下で集客力もフルフィルコストも格段の差があるが、米国では衣料・服飾を280億ドル(ほぼ3兆円)も売っているAmazonが拡大に注力しているし、商業施設デベの三井不動産はテナントのオムニチャネル販売を支援するECモール「&モール」を立ち上げている。

 テナント側だったアパレル企業とて在庫の集中と顧客の直接掌握、手数料負担の軽減を図って自社ECサイトの拡充を急いでおり、三陽商会はラグジュアリーECモール運営のルビー・グループを買収し、ストライプはソフトバンクと組んでECモール事業に進出している。

 ライバル各社とは取扱高の格差が大きく、現段階ではスタートトゥデイの寡占状態が揺らぐとは見えないが、同社が失策を重ねれば状況は一変する。