ZOZOSUIT公式サイトより(http://zozo.jp/zozosuit/

 スタートトゥデイの前澤友作社長の誕生日に合わせて2017年11月22日に予約が開始されたものの、長いこと多くの消費者の手元に届いていなかった幻のZOZOSUIT。商品改良を行い、発送の目途が立ったことが18年4月27日の決算発表会で発表され、いよいよ手に入るということで話題になっています。

スマホから2m離れ、360度、全身写真を12回撮影

 ざっくり解説するとZOZOSUITとはスタートトゥデイが発売したサイズ計測アイテムで、現在は無料で配送予約を受け付けています。ネット通販サイトZOZOTOWNに会員登録してから身長、体重、性別を入力して申し込むと、送料だけで送られてくるような仕様となっており、既に申し込んでいた消費者には遅延のお詫びとして送料も無料で発送されることが決定しています。開発には生産失敗だけでも約40億円の特別損失を計上しており、予約数は18年5月1日時点で100万件を突破しています。

 なお既に到着した消費者からのユーザーレポートも上がっています。ユーザーは同封されているスタンドにスマートフォンを立てて2m離れた場所に立ち、音声案内に沿って360度、全身写真を12回撮影する必要があります。撮影が終わると自分だけの全身3Dモデルが完成し、インターネット上でも商品購入が簡単になる仕組みです。ただし計測方法は旧ZOZOSUITと比較すると多少環境や撮影のコツも必要となっているようで、消費者には少し負担が増えた形となっています。

 近未来的なデザインやBluetooth方式で計測できるセンサー方式から、白の大柄ドット(正確にはマーカー。スーツへの貼り付け式で、計測のための小さな穴が開いていて黒点のように見える)デザインや計測方式が大きく変更となったことで「未来感がなくなった、思っていたものと違うから送ってこないでほしい」「待っていたから早く試したい」と多くの注目を集めています。

 また将来的にはフルオーダーのビジネススーツやドレスシャツ、ワンピースを販売するという意気込みの一方で、一部の有名人に旧式スーツが先行して配布される、当初の宣言と異なる商品を消費者の許可なく発送するという企業姿勢が批判の対象となっています。

 ここではその議論やフルオーダー技術論ではなく、今後、ZOZOSUITが普及して全世界の「サイズ」の問題を解決したとき、ファッションを扱う店頭がどうなるかについて考察したいと思います。

ベビー・乳幼児、高齢者はしばらく現状維持?

 母親として真っ先に感じたのは「今の計測方式のままでは子供の計測は難しいな」でした。赤ちゃんはそもそも首すわり前、寝返り期など自立歩行のできるまでは論外ですし、現在2歳の娘を見ていても、あのスーツを着て、12回指示された方向を向いて動かずに写真が撮れることはほぼ不可能でしょう。計測エラーまっしぐらです。

 性格にもよりそうですが、ある程度言葉を理解できて、大人しく写真が撮れる小学校入学前まで、約0~5歳はしばらくサイズの問題はZOZOSUITによっては解消されず、現状と変わらないスタイルになりそうです。

 ただし、5カ月の妊婦が計測できたという声は上がっており、親は問題なさそうです(妊娠中の計測結果を記録していくのはとても楽しいと思います)。

 同じように、ZOZOSUITを着用して計測することが難しい身体障碍者や、そうではなくても腰が曲がっているおじいさん・おばあさん、入院中で寝たきりの患者など、サイズの悩みから解放されない人は一定数存在すると思います。もちろん少数派でしょうが、世界に視野を広げるならばこのマーケットだって決して狭くはありません。