オープンしてはや12年、すっかり川崎(神奈川)の看板施設ともいえる「ラゾーナ川崎プラザ」は年間売上高770億円、来場者数3800万人を数え、日本でも3本の指に入るほどの規模を誇る・三井不動産のこのショッピングセンター(SC)が2012年以来、2度目となる大規模リニューアルオープンしたので、のぞいてみることにした。

 ラゾーナ川崎は全5層構造で店舗面積7万9000㎡もの大型施設。5階はシネコン、スポーツクラブが入っていて4階はレストラン&アミューズメント、3階はカジュアルライフ、2階がスタイルアップ、1階がデイリー&エンターテインメントというフロア構成でまとめられている。

 筆者のラゾーナ川崎に対するこれまでの印象を挙げると、「激コミのスーパーマーケットsanwa」と、イベント日には臨時レジまで出動する超優良店(坪効率から見て)のユニクロ」。豊富な品揃えが目を引く超大型店のZARA」の3店舗がいつも混み合っている。他にも映画、本、家電、ホームセンターから100円ショップまで、バラエティに集まった大型商業施設。別の言い方をすると「何でもアリ」という都会的な喧騒感が良い意味、悪い意味にも「川崎らしさ」として感じられる場所の一つでもある。

全店の約3割の103店のテナントに手を入れた

 今回のリニューアルでは全店の約3割以上の103店舗が新規出店、改装及び移動した。

 リニューアルのポイントは①上質なファッション・ライフスタイルショップの集積として「RHCロンハーマン」「BEAMS」「MHL」「STAR JEWELRY」の4店舗を加え、新たに②海外ブランドを「lululemon」(4月27日オープン)、「kate spade new york」「MICHAEL KORS」「アディダス オリジナルスショップ」の4店舗を入れた。また、③一つ一つのアイテムにこだわったショップとして「MAR court」「中川政七商店」などファッション関連を中心に多数の店舗をラインアップしたことだ。

がぜん良くなった「グローバルワーク」

 今回のリニューアルを通してがぜん良くなった店は「グローバルワーク」だ。恐らく以前と同じ場所だったと思うが、ファサード部の両サイドのウィンドウを無くしてスッキリとした印象に変わった。この改装のおかげで入店ハードルが下がった気がする。隣の同グループの「STUDIO CLIP」と上手く相乗効果が出てくれることに期待したいところ。そして、同グループでは「BAYFLOW」がラゾーナ川崎に初出店。近隣グランツリー武蔵小杉(セブン&アイ・ホールディングスのSC)に出店しているにも関わらず、多くのお客で賑わっていた。改めて「BAYFLOW」人気を実感することができた。

存在感があるルーファ広場横の「RHCロンハーマン」

 

 人口芝を敷き詰めて新たな憩いの場として生まれ変わった緑のルーファ広場は印象的。その印象的な広場の周辺でウッド調の外装でひと際、存在感のある店が「RHCロンハーマン」。他のテナントと明らかな違いを感じさせる閉鎖的な外装はブランド認知度が高くないとできない離れ業だ。そんな不安を他所に、狭い間口も何のそのベビーカーを押した若い親子連れなどで賑わっていた。しかし、来店客数の割にレジ精算を済ませているお客は少なかったようにも思えた、様子見客も多く含まれているのだろうか。

相乗効果で「?」がつくところも

 JR川崎駅方面からの2階入り口右横。ここは以前、ヤングファミリーをターゲットにした店を中心に集めたエリアだった。ここに「BEAMS」を核として、化粧品の「M・A・C」、アクセサリーの「STAR JEWELRY」が入店。しかし、「アズールバイマウジー」や「RODEO CROWNS WIDE BOWL」「Roomy’s」といったブランドたちの年齢とは明らかに客層が違う。11月30日までの期間限定でGAPのインナー、ルームウエアの新ライン「LOVE BY GAP」がオープンしているのもこのエリア。この他に「GAP」はkidsを含めた複合店が3階、「BEAMS」も別業態の「B:MING LIFE STORE by BEAMS」はフロア違いの3階に出店していて、それぞれのショップブランドとしての相乗効果は出にくい環境になっているのが少し気がかりに思えた。

一番気になった4階の「WEGO」の出店場所

 そして今回のリニューアルで一番気になったのが、ヤングカジュアルショップ「WEGO」の出店場所だ。レストラン、アミューズメントが集まる4階にファッションショップとして単独の出店。ある意味、独占といえなくもないが、買い回りの良さとして見た場合には「?」がつく。このファッション単独出店が「吉」と出るのか「凶」となるのか。これからの動向に注目したい。

 この日(視察日は4月22日)は季節外れの暑さのせいか「サーティワンアイスクリーム」にも長蛇の列ができていた。この場所でしか味わえない希少性も手伝ってか、「Barbapapa Cafe」にも多くの親子連れで賑わっていた。

好調な1階部分はほとんど変わらず

 そもそもリニューアル効果として期待したいのは、売上げ不振店の入れ替えと、集客パワーが期待できる人気店のリーシングだろう。売上げ、集客とも申し分のない店に関しては触らない。その証拠に1階部分のテナントに関してはほとんど変わらず、しかも、この日も一番賑わっていた。そして今回のリニューアルポイントのシンボリックなルーファ広場を、サークル状に囲んだエリアに空きスペースが2カ所あるのは何とももったいない。

 あと買い回りのしやすさを考えると、もう少し同形態のショップを集めてブロック形成ができていたら利便性がさらに上がる気がするのに、やや中途半端な感は否めない。空き店舗へのリーシングや改装、移動などの手直しは引き続き行っていくのだろう。

 そうはいっても年間売上高770億円を弾き出す、実力商業施設。豊富なイベントスケジュールも満載で集客には事欠かかないのは確かだ。今回、若干気になった部分さえも欠点には見えなくなってしまうような勢いが、ラゾーナ川崎にはあるのかもしれない。