ネットスーパー成功の秘訣は何か?

 最後に、ネットスーパー事業の成功の秘訣は何かを考えてみました。

 その結果、ヤオコーが目指している「店舗商圏内顧客シェア100%を目指す」に尽きるという結論にたどり着きました。

 ポイントは「販売シェア」ではなく、「顧客シェア」だということです。Amazonも基本的に同じような考え方でネットを軸にビジネスを行っています。

 今日、持続的成長を遂げている小売業の源泉は「顧客視点」が持てるどうかにかかっていると言っても過言ではないでしょう。リアル店舗小売業はまずは、顧客に店舗に足を運んでもらうことに全力を注ぐべきです。

 そのためには、すぐに低価格に走るのではなく、品揃え、サービス品質、店舗内環境、販促等の小売ミックスのバランス、充実を図るべきです。

生鮮を制するものがネットスーパー事業を制する

 妊婦や高齢者、病気やけがで動けない病人、過疎地で買物が不便な地域に住む人々など社会的な買物弱者も、やはり普段使っているSMで安心して、おいしくて、値頃感があり、安全な品物を買いたいという願望を持っています。

 その願望を叶えるための手段がネットスーパーなのです。これは買物弱者に対する社会的課題の解決にあたります(クリステンセン教授の言う「片付けの法則」に該当します。JOB理論ですね)。

 ネットスーパーは消費者の食に関する買物の悩みを解決する一つの場(タッチポイント)なのです。SMは今後、ビジネスの生命線である生鮮、惣菜をいかにしてネットスーパーで安心して買ってもらえるかをもっと真剣に考えていくべきだと思います。「生鮮を制するものがネットスーパー事業を制する」というわけです。