イオンモールが初めて手掛けるアウトレットモール「THE OUTLETS HIROSHIMA(ジアウトレット ヒロシマ」(広島市佐伯区)が、4月27日オープンした。敷地面積約26万8000㎡、総賃貸面積約5万3000㎡、地上2階建、総店舗数は約200店舗。駐車台数は4000台。

 山陽自動車道の五日市インターチェンジから車で約5分、中四国からの来場も想定し、基本商圏は車で1時間50分圏、国内外の観光客も対象にする。

地域創生型として3つのコンテンツを設けた

「地域創生型商業施設として、ファッション、スポーツブランド、雑貨など119のブランドショップが集結する『本格アウトレット』、シネマ、飲食、屋内スケートリンク、ボウリングなどの『エンターテインメント』、地元の飲食店、瀬戸内。山陰エリアの名産品のショップといった『地域との出会い(ローカリゼーション)』の3つのコンテンツを中心に構成されている。

 ファッションは「アルマーニ」「サルバトーレ フェラガモ」のプレミアムブランド、「ビームス」「ユナイテッドアローズ」といったセレクトショップ、「H&M」「GAP」のファストファッションなど66ショップ。ファッション雑貨は「コーチ」「バリー」「アカクラ」「タイメックス」など38ショップ。

 スポーツとアウトドアは「ナイキ」「アンダーアーマー」「ニューバランス」「コロンビア」など13ショップ。雑貨は「ティファール」「たち吉」「ボーズ」など10ショップ。

 全般的に通常のアウトレットモールに出店しているショップが大半を占めている。

エンタメはボウリングにアイススケートリンクまで

 

 この施設の大きな特色であるエンターテインメントゾーン「ほしかげシティ」は、9スクリーンのシネマコンプレックス「イオンシネマ」と、アミューズメント施設「プラサカプコン」、アイススケートリンク「ワンダーリンク」などで構成されている。

 カプコンは、ボウリング、最新VR、カラオケ、キッズコーナーなどのコンテンツを提供し、野球、サッカーなどバーチャルとリアルが融合した新感覚のスポーツゲームも用意した。

 2000席を用意した、瀬戸内と全国の人気店31店舗が集積する飲食ゾーン「にしかぜダイナー」は3つに分かれている。

 約1000席のフードコート「フードフォレスト」、瀬戸内、広島の地元グルメゾーン「きんさい横町」はフードコートとレストランゾーンをミックスしたノスタルジックな空間だ。そして9店舗のカジュアルレストランゾーン「グランドダイニング」は普段使いからハレの日需要にも対応する。

ものづくりカルチャーを集積・発信するショップも

 大きな特色の一つである「地域との出会い」をテーマにしたゾーンは、瀬戸内、山陰エリアの発信アイテムを展開。地元と県外、国内外の観光客に対応した食物販の「よりみちマルシェ」と、「暮らし」と「こと」のスタイル提案ゾーン「なみのわガレージ」がある。

 地域創生型商業施設の核テナントとして、瀬戸内、広島のものづくりカルチャーを集積・発信するセレクト編集型ショップ「SAKKA ZAKKA」が出店している。

 広島県の各自治体と連携し、地域の名産品を取り扱う「瀬戸内TRIP」では、農産物や海産物の加工品を中心に菓子なども販売する。

 イオンモールが飲食、カルチャー、雑貨をプロデュースして仕上げたゾーンで、今までにない意欲的な取り組みだ。

イオンリテールがSM出店し、利便性を付加

 イオンリテールの食品特化型新コンセプト店舗「イオンスタイル西風新都(せいふうしんと)」も2416㎡の規模で出店している。非日常空間のアウトレットと生活密着のスーパーマーケット(SM)の組み合わせは異例だが、ショッピングやエンターテインメントを楽しんだ後に、食品を購入できる利便性の機能を付加した。

 約280席のイートインスペースを設け、できたてメニューを数多く提供し、その場で食事ができる「ここdeデリ」を最大級で展開している。ステーキショップ「ガブリングステーキ」や水産売場の海鮮丼「魚魚彩(ととさい)」、生パスタ「ペルグラーノ」、たっぷり野菜の彩りサンド「サンドイッチショップ」など、イオンが最近開発したショップを中心に構成されている。

 いわゆる。グロサリーとレストランを融合したグローサラント型売場で、即食ニーズを取り込み、商品も地場商品やこだわりを打ち出し、普段使いではなく、手土産需要にも対応する。アウトレットモールの来場者は来店頻度が月1回、年数回と低いため、日常使いは想定せず、こうした取り組みとなった。

「+αを楽しめる多目的施設」に仕上がっている

 こうした一連の展開や取り組みを見てくると、単なるアウトレットモールではなく、地域と係わりを持ち、コト消費、時間消費にも対応した複合的な要素を持つ「アウトレットを目的に来た来場者がプラスアルファを楽しめる多目的施設」に仕上がっている。

 アウトレットモールに新たな価値を付加することで、より幅広く集客し、新たな需要も喚起する『ジ アウトレット ヒロシマ」。地域創生を掲げ、アウトレットモールと飲食・フード、エンターテイメント、そしてSMを融合がどのような化学反応を起こすか、極めて興味深い。

 アウトレットはもともと、エンターテインメント性のある消費行動だが、リアルとネットの構図の中で、コト消費、時間消費を軸に、新たな商業施設の可能性を見出すことになるかもしれない。