トウキョウベースが展開するモードを軸にした「ユナイテッドトウキョウ」。新業態「パブリックトウキョウ」は価格帯は同じだが、これをカジュアル軸に変える。

 セレクトショップのトウキョウベース(谷正人代表取締役CEO=最高経営責任者)は今秋から新業態「パブリックトウキョウ」をスタートする。従来同社が展開してきたモード領域からテイストをカジュアル領域にシフトすることで、日本の大手セレクトショップが得意とする市場と重なる。「あえてレッドオーシャン(赤い海=競争の激しい既存市場)に飛び込む」(谷CEO)として既存市場に殴り込みをかける。日本のセレクトショップはここ数年苦戦を続けており、急成長している同社の新規参入で業界に少なからず波乱を呼びそうだ。

今秋は東・阪・名の3大都市とECに出店

谷正人CEO

 新業態「パブリックトウキョウ」は「ハイエンドカジュアル業態」と位置付ける。日本製で50%以上の高い原価率、生地にこだわった商品をオリジナルで生産し、20代~40代の質にこだわる男女のトレンドセッターをコアターゲットにする。客単価は実店舗で2万1000円、EC(電子商取引)では1万3000円を想定する。

 秋にも東京・新宿駅直結のビル(33坪)、名古屋の栄近辺のビル(68坪)、大阪駅直結のビル(52坪)にメンズ・ウイメンズの複合店舗を開き、併せて直営ECとゾゾタウンでも販売する計画だ。標準展開売場面積は60坪と想定、出店先の販売効率に応じて50~80坪と幅を持たせる。

 軸となるアイテムは秋冬でメンズはブルゾンとダウン、ウイメンズはニットを想定。定番としてデニムを育てたい考え。デザイナーはメンズとウイメンズそれぞれに2人ずつ、社内のエース級と外部のカジュアルブランド経験者を配置した。

第3の柱として売上高300億円の事業に

 将来的には同社が展開する国内の東京ブランドに特化したセレクトショップ「ステュディオス」(現実店舗26店、EC9店)、日本製にこだわったグローバルコンテンポラリーブランド「ユナイテッドトウキョウ」(現同14店、EC2店)をそれぞれ売上高300億円、店舗数36店に拡大する計画だが、これらに次ぐ第3の柱として「パブリックトウキョウ」も育成し、同様に売上高300億円、店舗数36店を目指す。

 同社はこれまでモードに振ったテイストで展開していたが、新業態はカジュアル寄りにテイストを定める。「ビームスやユナイテッドアローズ、トゥモローランド、ベイクルーズ、アーバンリサーチなどの日系セレクトショップが得意な市場規模は大きいが強者が不在のカジュアル市場に新規参入する。当社がこれまで培ってきた営業力と高い原価率の商品を武器に覇権を狙う」(谷CEO)と挑戦状をたたきつける。将来的は「ユナイテッドトウキョウ」との複合大型店の展開も考えているという。

 トウキョウベースの事業規模は2018年2月期で売上高127億円(前期比36%増)、経常利益15億円(同24%増)。

 

 

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