地域住民にとって待望のスーパーマーケット(SM)が開店した!

 4月25日(水)開店の東馬込店(東京都大田区)。馬込駅(都営地下鉄浅草線)から南東に徒歩7分のこの辺り、実はSMがない買物困難地なのだ。馬込駅前にはまいばすけっと(2店)とファミリーマート(1店)と小型店はあるが、日々の食を支えるSMはさらに南東のJR大森駅方面まで行かないと中型店もない。

 この新店前を通るのは環七通り。だから、車で買物に行ける人にはよいのだが、高齢者など車の運転ができない人は本当に困る。しかも、馬込一帯はやたらとアップダウンが激しく、少し離れた場所でも自転車や徒歩で行くのが本当に大変。

 地域住民がこの店舗の開店を待ち望んでいたのには、こうした背景がある。

開店直後、お客がエスカレーターを急いで上る

 ライフ東馬込店のグランドオープン前日、プレオープン日に買物に行ってきた。

 午前8時45分、開店の15分前の店舗には次々と人が入っていく。

 この店舗の構造は鉄骨造地上4階建て。1階は駐車場、2階と3階は売場(2階:生鮮、日配、冷凍食品、惣菜、インストアベーカリー/3階:加工食品、菓子、酒類、日用雑貨、医薬品、衣料品)となっている。

 この時間に来店するのは開店と同時に入店し、日替わり特売品を買おうとする人たちだ。2階へ続くエレベーター前に並ぶお客は30人ほど、それが開店時には50人ほどに。

 平日のため、やはり多いのは高齢のお客だ。ライフコーポレーションの社員が「エレベーターがございますので、気を付けてお進みください」と声を掛けるが、いざ開店となると、エレベーターをわれ先と進んでいくお客がいる。

 そうしたお客は何を買おうとしているのか? 後を追った!

酒類、日用品の催事に高齢者が集まっていた

 

 まずは2階に行き、かごを手に売場を一周。売り切れると思い、真っ先にかごに入れた「開店記念弁当」(先着100パック、398円)の売場周辺にはまだあまり人がいない。

 じゃあ、どこにいると3階に向かうと、いらっしゃいました。エスカレーターで上った先にある酒の平台、「お楽しみスパークリングワイン」の催事売場に。

 高齢男性が集まっていた、この売場で行われていたのは、750mlのスパークリングを売る催事。中の商品が分からないように箱に入った状態のものを72本用意、その中の1つにはドンペリが入っているというイベントだ。

 あと3階で人が集まっていたのは入浴剤のバブの詰め放題(先着50人、1回500円)。高齢のお客が多いが、こちらには男性も女性もいる。

 3階の売場をグルっと回って感じたことは3つある。

 1つ目は加工食品や菓子の選ぶ楽しさだ。加工食品は品揃えの幅と深さに工夫をした売場づくりをし、目線の高さにあるPB商品「ライフプレミアム」が変化をつけている(菓子にも「ご当地菓子」のゴンドラを差し込む工夫がある)。

 2つ目は医薬品の品揃えのありがたさだ。この店舗は深夜0時まで営業。何時まで登録販売者がいるかだが、買物困難地で第2類医薬品が買えるのはありがたい(家庭用品も調理用品を品揃えするが、便利と感じるお客が多いかもしれない)。

 3つ目は衣料品とベビー用品を扱っていること。品揃えは最低限だが、買物困難地だけあって衣料品の需要はあるようで、この日もソックス1足100円などの催事売場で商品を手にするお客を見掛けた。ベビー用品も需要はありそうで、馬込駅の隣、西馬込駅周辺ではぱぱす(ドラッグストア)の閉店後に西松屋(子供服・ベビー服)が店舗を構えている。

 3階を歩くお客のかごの中を見ると、多いのが1ℓのしょうゆや米。日替わり特売の「ヤマサしょうゆ1ℓ」(先着300人、1人1本、89円)の売場に行くと、壁面の多段ケース、最下段に陳列された商品が減っていた。

 最後にこの階を一周すると、「お楽しみスパークリングワイン」の売場には主婦らしい姿も。この催事、人気イベントのようだ。

2階に下りてきたら、大混雑にびっくり

 エスカレーターで2階に下りてきて驚いた。

 何がかというと、その人の多さだ。開店から15分ほどしかたっていないが、歩くのも大変な通路があるほど、多くのお客が集まっていた。

 開店直後も人を集めていた「オーストラリア産 皮ごと食べられる種なしぶどう」(先着200人、1人1点まで100g当たり58円)は試食販売をしている効果もあり、商品を手にするお客が多い。

 青果売場は商品の陳列に注目。キュウリやナス、ホウレン草(日替わり、先着300人、1人2点まで1束78円)など大量陳列をし、売場に変化をつけつつ、ボリューム感を出した場は見ていて楽しくなる。

 プレオープン日は試食販売も積極的に実施。PB「ライフナチュラル」のちくわなどでも行い、「商品の味を知ってもらう」取り組みもきちんとしている。

 さて、この店の最大の特徴だが、それは鮮魚売場にあるといえるだろう。

 最近は肉よりも高い、調理の手間がかかるなどの理由で「魚が売れない」と、売場を縮小するところがあるが、この店は対面売場とその向かいの催事スペース(冷蔵オープンケース横)の取り組みが面白い。

 そこには丸物がバラ売りされているが、この日の日替わり特売、金目鯛(先着200尾、1尾980円)は飛ぶように売れていた。しかも、売場にいる従業員がお客と会話をする中で、「トマトと煮てもおいしい」など、(よくする食べ方とは異なる)メニュー提案をする点もすごいと思い、横を通り過ぎた。

 アイスベッドの上で丸物を売る催事スペースにはアジやイワシ、サバなど青魚、スルメイカがある一方、「にべ」(高知、1尾3980円、塩焼き、ムニエル、フライの調理を薦めている)など珍しい魚もある。これは消費者が魚に興味を持つきっかけを作ろうという深い考えがある取り組みなのではないだろうか。

「開店記念刺身盛合せ(中とろ・えび入り)」(980円)
開店記念の「本鮪大トロ入りにぎり(11カン)」(698円)
PB「ライフプレミアム」の「手作りにこだわったおいしい本場キムチ」。韓国で食べるほどは辛くないが、本格的な味でおいしい。
惣菜売場で見つけた「店内手焼き!本格だし巻玉子」(398円)。しっかりした味付けで、つまみにもなりそう。

たくさんある「生鮮と惣菜の見どころ」

 見どころはまだまだある。

 畜産では冷蔵オープンケースを使って大展開されていたミートオードブル。「ごちそうオードブルセット」(880円)はコストパフォーマンスがよい(わが家でもよく購入する)。

 畜産の「ジャンボパック」も子育て中のファミリーに人気の商品だが、この日は「国内産豚肉旨辛スペアリブ味付」(100g153円)の1㎏入り商品を発見。こうした商品ならホームパーティや屋外のバーベキューでも使え、利用シーンが広がる。お客目線で生鮮の新商品開発をきちんと行える点も、ライフコーポレーションがSM業界ナンバーワンの地位にいる理由の一つだといえるだろう。

 

 農産では「八百屋さんのお漬物」。これは「新鮮な野菜を、店内のぬか床で真心こめて漬けました」というもの。商品を手に取ると、ぬかの良い香りがする。ぬか床がない家庭が増え、漬物は買物になっているが、こうした手づくりの商品をSMで買えるとなると、需要喚起につながるのではないだろうか。

 もちろん、惣菜でも見どころは多く、その中で「これ」というのが、「選べるチョイス弁当」。これは午前11時から午後2時まで販売しているもので、1パック498円(プラス100円のおかずもある)。

 選び方は3段階。

<STEP1>好きなおかずを1品選ぶ(油淋鶏、おろしチキンステーキなど)。

<STEP2>好きな副菜を2品選ぶ(7種野菜の肉団子、海老フライなど)。

<STEP3>従業員がご飯180gを盛り付ける(好きなご飯を1種類選ぶ)。

 いくら商品改廃のスピードを速くしても、毎日通っていると、「また同じ商品か」となるもの。店舗側からすると、人手と手間がかかる売り方だが、これを楽しみにする会社員や高齢者も多そうなので、ぜひ続けてもらいたいと思う。

 2階の買物客のかごの中に多かったのは、「フジッコ 佃煮・煮豆お楽しみ袋」(先着50人、1袋10個入り500円)、「栃木産 スカイベリー」(先着200人、1人2パックまで、1パック398円、2パック798円)。やっぱり、日替わり特売の商品は人気が高いなぁ。

 と売場を歩き回って、思い出したのは、開店直後に感じた寒さを感じなくなったこと。大混雑時はちょうどいいのだが、ライフの店は冷房が効き過ぎている気がする。

 日常的に利用しているライフコーポレーションの店舗。商品やサービスに不満はないが、店舗によって駐車場に車が止めにくい点、冷房が効き過ぎている点は結構気になる。

 岩崎高治社長、最後に要望を出させていただきました。