国民の健康増進にSM、GMSの役割は大きい

 第15回は「SM、GMSが地産地消にこだわる訳」です。今日、スーパーマーケット(SM)やGMSでなぜ、生鮮、日配品での「地産地消」に注目しているか、その背景・目的について考えてみましょう。

 この背景には、消費者の「健康志向」があります。現在の日本は少子・高齢化時代の真っただ中にいます。国は国民の健康増進を図るために、さまざまな政策を展開しています。その鍵を握る業態がドラッグストアや調剤薬局であり、続いて、SMやGMSといった業態が重視されています。

 ドラッグストアや調剤薬局は、主に消費者が風邪などの病気にかかった際に訪れる業態で、健康を回復するためのReactive(受動的)な業態といえます。

 一方、SMやGMSはドラッグストアや調剤薬局のように、薬剤師や管理栄養士が店に常駐しているわけではありませんが、消費者が日常的に食べる生鮮食品(野菜、果物、肉、魚)や日配品(牛乳、納豆、豆腐など)を取り扱っている業態です。

 また、SMやGMSは、ドラッグストアや調剤薬局に比べ、来店頻度が多い点も特徴です。特に、SMは、主婦であれば、毎日、あるいは週に2、3回は訪れる多頻度来店業態です。

 そこで、国はSMやGMSなどの多頻度来店業態も含めて、国民の健康増進を図ろうと考えているわけです。SMやGMSは、健康を増進するためのProactive(能動的)な業態といえるでしょう。

ライフ、ヤオコーは「健康MD」に既に取り組んでいる

 既に、SM業態ではさまざまな企業が「健康MD」や「健康マーケティング」に取り組んでいます。健康を意識した小売りフォーマットとして「BIO-RAL」という店舗を展開しているSM最大手のライフコーポ―レーション。このライフコーポレーションと業務提携しているヤオコーも朝霞岡店(埼玉県朝霞市)でこれに取り組んでいます。

 この2社は健康MD、健康マーケティングを実施する際に、「野菜」を主軸に置いています。野菜を購入する際に、消費者は「鮮度」と「安全性」を重視します。この2つの価値実現には「地産地消」が欠かせないわけです。

 また、「地産地消」を捉える上で重要なことは、「農家の顔が見える安心感」。今日、消費者はモノの良さだけで、商品を選択しているわけではありません。モノの良さは当然ですが、それに加え、「コト(価値)」を重視しているのです。

 地産地消には、農家の人たちの野菜に対する愛情というコト(ストーリー)があります。消費者はそのコト(ストーリー)を含めて、トータルでモノ(商品)を評価します。鮮度が高く、安全で、少し高くても地産地消の野菜を購入するのは、こうしたわけです(オーガニックの生鮮は、その極みですね)。