5~8齢とみられるクロマグロ(築地)。

 サステナビリティ(持続可能性)とは…「現存する資源や環境システムを持続することができる」ということだ。

 商品=資源を使った物品や資源そのものを消費者に届ける小売業にとって、「サステナビリティに配慮した」商品を選ぶことは、社会的責任とも言える。

 水産資源(鮮魚や缶詰など)はサプライチェーンが長く流通経路が見えづらいため、サステナビリティに配慮することが難しい。本連載ではこの水産資源について、小売業の理想と現状を取材し、小売業ができることと消費者がそれをどう活用できるかを考える。

第7回「お魚スーパーマーケットランキング」結果。プレスリリース「お魚スーパーマーケットランキング7発表」より。

 小売企業が水産資源のサステナビリティ(持続可能性)をどう考え、取り組んでいるかを問うアンケート「お魚スーパーマーケットランキング」の第7回が、3月29日に公開された。

 2011年から年1回行われる。参加したのは大手小売りチェーン12社。1位イオン、2位コープデリ、3位西友が上位3社でイトーヨーカドー、ラルズ、ユニーが続く。

 本アンケートは小売各社が水産資源の持続可能性に対してどのような配慮をしているかを調べるもので、主催は国際環境NGOグリーンピース・ジャパン。

 水産業界には乱獲などの生態系の破壊や人身売買、強制労働などの人権問題があることがわかっているが、漁業は人の目の届かない洋上で行われるため管理が難しいという。それを踏まえ、「スーパーマーケットの責任ある調達を促進するとともに、消費者への意識啓発を目的」として行っている。

 質問は約70ほどと多いが、このアンケートに応えることで小売企業に求められる持続可能な調達とは何か、具体的に何をすればよいのかがわかるようになっている。本稿ではアンケートの内容をグリーンピース・ジャパンの海洋生態系担当 小松原和恵(こまつばら かずえ)さんに解説いただき、「サステナビリティと小売業」入門としたい。

アンケートで問われる5つのカテゴリー

――「お魚スーパーマーケットランキング」について教えてください。

小松原さん:質問項目には「調達方針」「持続可能性」「イニシアチブ」「トレーサビリティ」「絶滅危惧種」の5つのカテゴリーがあります。

 調達方針では「調達する商品について方針を持っているか」と「全ての商品のうち、方針を満たす商品の比率」を聞いています。

 
方針が明文化されているのは「イオン」「イトーヨーカドー」「コープデリ」のみ。この3社はこの調達方針を消費者に公開している。西友は親会社のウォルマートの方針に従うとしている。国際環境NGOグリーンピース・ジャパン提供。「スーパーマーケット15社からの回答一覧」より一部抜粋。

 残りの4つで方針の内容を具体的に聞いていく。

小松原さん:次に大きな軸になるのが持続可能性で、「グリーンピースが持続可能でないと考える漁業者や養殖業者から調達していないか」を聞きます。“持続可能でない漁業者”とは例えば「絶滅危惧種を扱っている」「混獲*率が20%より高い」などです。また「生態系の環境負荷をなくすため」や「労働者の権利を尊重するため」に「企業としてどのような努力をしているか」も聞いています。

*混獲:漁業の対象ではない魚種を一緒に獲ってしまうこと。サメ、エイ、ウミガメやウミドリなどが犠牲になっている。

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン提供。「スーパーマーケット15社からの回答一覧」より一部抜粋。