「ちぼり湯河原スイーツファクトリー」は連日多くのお客で賑わっている。

五感で楽しむ「ちぼり湯河原スイーツファクトリー」

 湯河原町(神奈川県足柄下郡)に昨年11月にオープンした「ちぼり湯河原スイーツファクトリー」は連日多くのお客で賑わっている。湯河原町は有名な温泉地だが、観光客が気軽に立ち寄れるところが少ないことから、贈答用アソートクッキー生産の国内トップシェアメーカー『ちぼり』が本社建て替えを機に設けた。

 この施設のテーマは「五感で楽しむスイーツファクトリー」。食育をテーマとした体験スペースを通して、菓子づくりの楽しさを体感できるほか、ミニ工場見学も自由にできる。

 ミニ工場見学ができる場所とは別の直営店舗(施設1階)はさまざまなコーナーに分かれており、「お菓子づくり体験コーナー」では小さい子供から大人まで菓子の作り方を楽しく学べる。「お菓子工房」は製造工程を見られるようガラス張りになっており、職人がシュークリームとプリンなどを作る様子を間近に見られる。

 地域の活性化と特色のあるアイテムを提供するため、湯河原町のミカンを使ったジェラートを販売したり、ユニークな試みとしてワンドリンク付きで500円(税別)で1時間食べ放題の「クッキーバイキング」を行ったりしており、アウトレットコーナーも設けた。70席のカフェもあり、小さな子供連れのお客が安心して遊べるキッズスペースも用意し、ゆっくり過ごせるようになっている。

「地元」の産物を「地元」で加工し「地元」で販売

 ハロウィンなどのシーズンイベントや、絵本の読み聞かせも開催するなどイベントにも力を入れ、さまざまな体験ができる「コト消費型施設」に仕上がっている「ちぼり湯河原スイーツファクトリー」。

「湯河原町とチボリ市の紹介コーナー」では、湯河原に関する書籍や観光施設のパンフレットを置き、ミカンを使ったジャムやジュースなど地産品を販売。イタリアのチボリ市の紹介も行い、同市近郊産のワインやイタリアのビールも取り扱っている(これは社名をはじめとしてチボリ市との縁が深い『ちぼり』が、イタリアのチボリ市と湯河原町を仲介し、2016年、姉妹都市の提携を締結したことによる)。

 品揃えにも一工夫がある。ショップで取り扱っている商品は、「赤い帽子」「カリン・ブルーメ」など、ちぼりグループ傘下の5つのブランドのばら売りも行っており、必要な数だけ好きな組み合わせで購入できる。

 湯河原ミカンを使ったサブレサンド、ミルフィーユ、チョコレートも新たに開発。湯河原近隣の小田原の「片浦レモン」や「湘南ゴールド」を使用したアイテムも販売し、地域産品の活用にも力を入れる。今後も「地元の産物を地元で加工し地元で販売する三地(産地)主義」で限定商品を開発していく考えだという。

 また、この建物があるのは海岸から700mのところ。そのため、万が一の津波を想定し、地域の避難場所としての役割も果たす。発電機や52トンの貯水槽で電気や水を確保、食料も備蓄し、非常時は菓子在庫を放出、会議室や食堂を開放し住民を受け入れる。

 こうして地域と密接に関わり合いながら、広く観光客を受け入れて地域の活性化にも貢献しようとする「ちぼり湯河原スイーツファクトリー」は、初年度に年間10万人の来場を見込んでいる。

年間200万人超が訪れる「ラ コリーナ近江八幡」

 滋賀県にも人気の施設がある。琵琶湖畔の近江八幡は近江商人発祥の地で古き町並みが残る関西の人気観光地だが、そこにある「ラ コリーナ近江八幡」は年間200万人以上も訪れる滋賀県ナンバーワンの観光スポットになっている。

 3万5000坪の広大な敷地には田んぼ、畑、菜園、芝生で覆われた広場が広がり、施設を回遊できる回廊が巡らせてある。その中で特に目をひくのが建築家・建築史家の藤森照信氏による屋根が芝で覆われた草屋根のユニークなデザインの建物だ。

 この建物は実は店舗。この中では和菓子の『たねや』とバームクーヘンで有名な『クラブハリエ』の商品が売られている。

 ラ コリーナ近江八幡はたねやグループが、「食」にこだわり、都会にない田舎の風景や生息する生物、四季や風を感じてもらえる、人と自然が触れ合える施設として、2015年1月、設けたものだ。

 代表銘菓「ふくみ天平(てんびん)」をはじめ、たねやの商品を全て取り扱う和菓子売場は、職人が目の前で菓子を仕上げる「できたて工房」を併設し、「生どらやき」を販売している。壁面を飾る和菓子の木型も圧巻だ。

 バームクーヘン専門店「B-studio(Bスタジオ)」最大のショップ・イン・ファクトリーは一面ガラス張りの工房で、商品の製造や新商品も販売している。この2階にはテーブルやイスが置かれたカフェがあり、焼きたてのバウムクーヘンが味わえる。