私の1日のメディア接触というと新聞、テレビ、SNS、インターネットで考えてみるとイメージだが、10%、20%、20%、50%といった感じだろうか。東京で現在のような仕事をしているとそんな感じである。

 今年、50歳と区切りの良い年齢もあって広島へ帰省した折に、高校時代の同窓会をしようという話が持ち上がった。その場に居合わせた関係で、なぜか私も幹事役の一端を担うことになった。1クラス40人、今でも付き合いがあって定期的に会って連絡が取れ合う仲間は2~3人。さぁ、卒業アルバムを引っ張り出して住所録を眺める。まだ昭和の時代は個人情報が今ほどうるさくなかったから、皆、バッチリ連絡先が載っている。が、当の私を含め、実家そのものが引っ越したり移転している家は何軒あるか。もう、かれこれ32年前の情報である。

「オレオレ詐欺」全盛のこの時代に、片っ端から電話を掛けまくるのは忍びない。それは最終手段にして、まずはFacebookで検索することにした。結果、新たに辿り着けた同級生はたったの3人。私の通っていた高校は男子校なので卒業後、苗字が変わるケースは極めて少ない。クラスメイト40人全員を英字含め検索した結果がこの数字で、落胆と同時に思い知らされた『もう一つの現実』を体感できたような気がする。

「ネットを毎日は利用しない人」は約5670万人

 

 この『もう一つの現実』とは、インターネットの世界に無縁な人たちのことである。情報化社会の中にどっぷり身を置いて仕事をしていると、この辺りの感覚が麻痺してしまいそうになる。例えば「ネットを毎日は利用しない人」は約5670万人に上るという数字もあるし、総務省発表の『平成28年度情報通信白書』によると「普段、私的な用途のために利用している端末」はスマートフォン60.2%、フィーチャーフォン(ガラケータイプ)41.9%と、自分の身の回りとのギャップに驚いてしまう。そこには当然、世代間的な特徴もあってスマホ所持率は20代が一番高く87.0%だが、50代では54%、40代でも60%と、失礼ながらフィーチャーフォン所持層の以外な多さを改めて感じることができた。

 そんな状況から日本国内のFacebookの利用状況を同資料で追っ掛けてみると、全年齢で35.3%、50代で見ると27.5%の利用率に留まる。すると10人くらいは見つかってもよさそうな気もするが、そこは地域性とコンピューターリテラシーにどの程度関与しているか等、卒業後の就職先や職種によってバラついて当然だろう。そして、今回、改めて感じたのは約4割近く存在するインターネットとあまりつながりを持たない人たちへの商品アプローチや商品サービスについてだ。

一番肝心なのは既存客やリピート客へのサービス

 私たち、メディアもひっくるめて最新技術の開発やリリースに目が奪われ、乗り遅れまいと警笛を鳴らすのがお得意芸なのだが、既存客やリピート客へのサービスが一番肝心なのは言うまでもない。

 それらのサービスをないがしろに「新規客」「新規客」と、まるで「新規」の獲得が業績アップのベースとしてしか考えられないような小売店では駄目だ。よって既存店売上げは重要なのだ。既存店売上高を割り込んでしまっている企業は、自社が時流に合っていないことばかり考えるのではなく、自店への既存客、リピート客をいかに満足して利用し続けてもらっているのか。改めて再点検する必要があるのではないか。