日本が、本格的に人口減少に転じたのは2011年。

 だが、実は北海道は1995年の569万2321人をピークに、道内人口が533万1886人(2018年2月末)とピーク時と比べて6.3%減少しており、今後日本が直面する人口減社会を23年前から経験している日本の最先端マーケットとなっている。

 そんな中で小売りチェーンとして存在感を示しているのが、道民のソウルコンビニであるセイコーマートだ。

 北海道の市区町村179地区のうち、セイコーマートが存在していないのはわずか6地区と生活インフラとして圧倒的にドミナント化されている。

 2006年に北海道に最後に進出した大手コンビニのファミリマートが23地区のみの出店にとどまっているのとは対照的だ。

地方では避けて通れない「コンビニの価格問題」

 セイコーマートが支持されているのは、大手チェーンとは違う「節約コンビニ」だからだ。

 

 酒、加工食品、飲料など低価格PBも多く、中食では税込み118円のパスタシリーズを中心に、税込み150円以下の惣菜シリーズは味の賛否はあれど、節約族に圧倒的な支持があり、筆者が訪れた札幌市中央区の店舗では、昼時に売場前に女性ビジネスパーソンが多数見られた。

 また、コンビニらしからぬチラシが水曜日に発行され、ななつぼし10kg(お米)やPBのトイレットペーパーなど生活必需品などのクーポンが付き、道民の生活を応援している。卵や牛乳、食パンなど毎日の生活に欠かせない商品の特売企画が目白押しとなっており、道民の生活インフラとしての魅力を発揮しているのだ。

「賃金構造基本統計調査」(2017年 厚生労働省)の各都道府県別の年収を見ると、北海道の平均年収は東京の7割程度。このことを考えると、定価販売が基本のコンビニでは、地方での価格問題は避けて通れない課題となっているのは間違いない。

 直営店が8割を超えたと言われるセイコーマートだからこそ安売りが可能ともいえるが利益を分配するのを生業としているフランチャイズの大手コンビニでも日常最寄り品での価格戦略が必要となってきているのは間違いない。

「まいばすけっと」も北海道では営業、出店で苦戦

 東名阪の大都市圏では、まいばすけっとなどの食品ミニスーパーが、コンビニの居抜き物件に出店し成功しているケースが多々出ており、大手コンビニも競合として食品ミニスーパーを最も警戒していることから見ても、価格戦略が重要であることが分かる。

 ただし、そんな食品ミニスーパーの雄・まいばすけっとも、セイコーマートのある北海道地区では大変苦戦している。

 2012年3月に1店の南5条西10丁目店をオープンし6年、現状36店舗と出店も苦戦しているわけだが、イオン北海道が運営する北海道のまいばすけっとは、当初 2年で100店舗を予定していた。

 関係者に話を聞くと

「当初、イオン北海道がまいばすけっとに支払う名義などの使用料は100店舗では1.5%の契約だったが3%に見直されていて、100店舗体制のめどは立っていないようだ」とのこと。

 

 現状 車社会である北海道では、近隣という概念が東名阪の大都市圏とは違っており、ATM・公共料金などのサービスが、セイコーマートにはあるが、まいばすけっとにはないのも苦戦の原因と考えられる。

 セイコーマートは、大手コンビニでは実験的に取り入れられているだけの手作りの中食「ホットシェフ」が900店舗以上に広がっている点も人気の一因。差別化として道民から支持されているわけだが寒冷地である北海道では「出来たてホカホカで温かい」という点が内地よりも重要なのかもしれない。

これからは観光客の取り込みが重要になる

 セイコーマートの店舗数は、北海道で1101店舗となり、ナンバーワンではあるが、ここ数年、圧倒的な店舗数は盤石ではなくなり、セブン-イレブンが989店舗と1000店舗体制が目前となり、道内店舗数の逆転が起こる可能性も出てきた(店舗数は2018年3月末)。

 セイコーマートは、生活インフラとして過疎地域での寡占化は進んでいるが、札幌圏ではセブン-イレブンがジワジワと道民の心をつかみつつあるようだ。

 2017年上期、北海道経済部観光局の調査によると道内の観光入込客数(延べ人数)が9361万人で前期比3.6%増。訪日外国人来道客数(実数)も120万人で21.1%増と大幅に伸びている。

 道内人口533万1886人を大きく上回る、これら観光客は今後の北海道経済にとって非常に大事になってくるのは間違いない。

 セイコーマートを含む、各コンビニも一部店舗ではお土産品などの扱いもあるが、まだまだ観光客の取り込みに成功しているとは言い難く、商品やサービス・決済などで外国人観光客の集客のための新しい取り組みがまだまだ生まれていきそうだ。

 今後の日本の未来を映す北海道でコンビニがどんな進化をしていくのか目を離せない状況がしばらく続きそうだ。