8月末には海外の店舗数が国内の1.5倍になる。

 ファーストリテイリングは屋台骨であるユニクロ事業を5年後の2022年度(22年8月期)に倍増させる。17年度のユニクロの売上収益1兆5400億円を3兆円強に引き上げる。特にグレーターチャイナ(中華圏=中国本土、香港、台湾)を中心に海外ユニクロ事業を成長させ、22年度には国内、グレーターチャイナ、その他のエリアでそれぞれ約1兆円ずつに拡大する。営業利益は来期(19年度)には海外が国内を上回る見通しだ。

 今上期(9~2月)の国内ユニクロ事業は売上収益4936億円(前期比8.5%増)、営業利益887億円(同29.0%増)、海外ユニクロ事業は売上収益5074億円(前期比29.2%増)、営業利益807億円(同65.6%増)といずれも増収増益で絶好調な実績となった。半期の売上収益は国内外合計で1兆10億円(同18.1%増)。

今期2000店を突破、5年後EC比率を2割へ

 今期は国内では30店を出店し30店を退店、海外は177店を出店し20店を閉鎖する。海外出店の内訳はグレーターチャイナが100店、東南アジア・オセアニアは40店で、この2つのエリアで海外の新規出店予定数の約8割を占める。この他、欧州では20店、北米は10店、韓国は7店出店する計画。

 この結果、8月末の期末店舗数は国内831店、海外1246店と海外の店舗数が国内の1.5倍になり、ユニクロ事業合計で2077店と初めて2000店を突破する見通しだ。

 柳井正会長兼社長は「ようやくアジアの時代がやって来た。アジアの40億人が中産階級化した。ユニクロは欧米でも旗艦店を展開し、ブランドとして確立されてきたので、世界の人口全部にわれわれの商品が受け入れられると感じている」と自信たっぷりに話す。

 今後はグレーターチャイナと東南アジア・オセアニアへの重点出店の一方で、EC(電子商取引)比率をグローバルで拡大する。現在のEC比率は日本が約6%、グレーターチャイナが約10%、韓国が約5%、東南アジア・オセアニアが約5%、欧州が約10%、北米が約20%。全体では約9%だが、これを22年度に2倍以上に引き上げる。

ヒートテックは中華圏で日本を超す販売額に

 商品面では商売の柱となる戦略商品を拡大、グローバルなマーケティングを強化し、売り込んでいく。戦略商品とはヒートテックやエアリズム、ウルトラライトダウン、ワイヤレスブラ、感動パンツなどの商品で、大量販売する柱となる商品だ。

 また例えば日本市場で育って世界で最大の販売額となったヒートテックをまだ日本ほどには売れていないグレーターチャイナや韓国、東南アジア・オセアニアなど各国・各エリアで売り込んでいく。特にグレーターチャイナでは日本を超える販売額に拡大したい考え。

国内も極めて好調。上期の既存店売上高の伸びは8.4%増、3月は13.0%増となった。

 運営面では17年2月に稼働させたユニクロの有明本部「ユニクロ シティ トウキョウ」(東京・江東)のグローバル・ヘッドクオーター(世界本部)としての機能を高める。「従来は実質的に日本事業が中心だった。また機能ごとに縦割りになっていてリレー方式になりかけていた」(若林隆広グループ上席執行役員)。

 このため、各国・各エリアの経営チームが有明本部に集まり、販売計画やマーケティング戦略を策定。カテゴリーや商品ごとに国・エリア別のマーケット、売場、在庫、生産、販売状況を集計データなどの形で可視化し、刻々と変わる商売状況に合わせて計画をタイムリーに修正するように改めている。

 また、店舗とECの境を取り払い、リアルとバーチャルの融合を進める。既に国内では店舗と倉庫、ECの在庫を共有化し、お客がいつでもどこでも便利に買物ができるようにECで注文した商品の店舗での受け取りや支払いを可能にするなど顧客体験価値(CX)の向上に取り組んでいる。

 

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