チョコレート市場が好調だ。とりわけ、「高カカオ」「ビフィズス菌」などで健康効果を訴求するチョコレートの需要が拡大している。

2013年以降、成長を続けるチョコレート市場

 チョコレート市場は2013年以降拡大を続けており、2017年には2952億円(インテージ全国小売店パネル調査〈SRI〉調べ)となっている。中でも、「高カカオチョコレート」が2015年以降大きく伸びており、2017年には185億円(前年比160.9%)まで成長している。

 

「高カカオ」のチョコレートは、ポリフェノールを多く含み、血圧低下や動脈硬化予防など健康に良いと、近年メディアでも取り上げられてきた。

 そのため、ユーザー獲得を目的に各社が「高カカオ」の健康効果を訴求しており、例えば、明治は「高カカオ」商品である『チョコレート効果』を「ポリフェノールをたっぷり含んだ健康を考えるチョコレート」として訴求している。同商品には、72%、86%、95%とカカオの含有量が異なるものや、素焼きクラッシュアーモンドや粗くくだいたカカオ豆を含む食感の異なるものなど、幅広いラインアップがある。また、「毎日続ける人向け」として、1kgの大容量の商品をインターネット限定で販売し、健康のために習慣化するよう促している。

 もう一つの健康効果訴求の事例として、森永製菓が『ビフィズス菌チョコレート』を販売している。こちらは、「ビフィズス菌」による整腸効果も期待できる「高カカオ」商品だ。同社は、全粒粉ビスケットを組み合わせた『ビフィズス菌ビスケットクランチチョコ』も展開し、「高カカオ」の苦みが苦手な人にもおいしく食べられることで、新規ユーザーの獲得を図っているようだ。

高カカオチョコレートは60代の購入金額が最も高い

 インテージ全国消費者パネル調査〈SCI〉によると、「高カカオチョコレート」の平均購入金額は、2017年に全ての性・年代で増加している。従来のチョコレートは、「糖分を多く含み、カロリーも高いため、健康に良くない」というイメージがあり、消費を控えるユーザーも少なくなかった。

 ところが、ここにきて消費者の健康意識の高まりに、メーカー各社の訴求が合致したようだ。「高カカオチョコレート」は「健康に良い」というイメージが浸透し、チョコレートを食べる罪悪感がなくなり、幅広いユーザーに支持されるようになったと考えられる。

 

 年代別にみると、男女ともに60代が、最も平均購入金額が大きく、前年比も伸びている。健康志向の強い高齢者層が、「高カカオチョコレート」市場の拡大をけん引していると見て取れる。

付加価値訴求で、今後も成長が期待できる!

 チョコレート市場では、「高品質」を訴求する商品も注目されている。

 例えば、明治は従来のチョコレートよりも単価の高い『ザ・チョコレート』を販売している。この商品のパッケージ中央にはカカオ豆が描かれており、同社が進める「Bean to Bar」の取り組み(カカオ豆から板チョコレートの製造まで一貫管理して製造)による品質の高さを訴求している。「コンフォートビター」や「ブリリアントミルク」など幅広いラインアップがあり、パッケージの裏側には、製品ごとの甘味・ミルク感・ビター感などの特徴がレーダーチャートで表記されている。

 このシリーズの購入者には20代~50代の女性が多く、「ちょっとしたぜいたくとして、自分の好みに応じて高品質なチョコレートを選べる」ことが、女性ユーザーに支持されているようだ。

 今後も、「高カカオ」や「ビフィズス菌」「高品質」などの付加価値を訴求する商品により、チョコレート市場はさらに拡大していくと考えられる。

(株式会社インテージ パネルビジネス推進部 アナリスト 木地利光)