人々の間にインターネットの世界が入り込み始めて、およそ四半世紀が経つ。パソコンを介した便利なツールは情報収集だけに限らず、娯楽としてもショッピングや読書、映画、音楽鑑賞と幅広い分野まで広がった。

 個々人の時間消費についても変化が生じてきている。特に若年層を中心にスマホ経由でのインターネットメディアへの接触時間は長くなっていて、この世代に向けたプロモーション活動にはインターネットメディアの活用は欠かせない。

無料動画の視聴1位はYouTubeの97.8%

 その中でも2005年にサービスが開始されたYouTube。2017年の月間のアクティブユーザーは全世界で15億人を超え、視聴者は1日1時間以上モバイル機器で利用しているそうだ。

 日本の民間企業が行った動画広告ユーザー調査によると、普段視聴している無料動画サービスのランキングの1位はYouTubeでアンケート対象者の97.8%が視聴。

 2位のニコニコ動画(27.8%)、3位Facebook(21.1%)、4位LINE(20.3%)、5位Twitter(17.7%)と比べると、これら無料動画コンテンツに占めるYouTubeの存在感は大きいようだ。ご存知YouTubeは誰でも簡単に動画投稿ができるのだが、動画再生によって得られる広告収入を主な収入源として生活する人をYouTuberと呼び日本でもタレント顔負けの知名度を誇るYouTuberたちが多数登場している(図表参照)。

 

 ファッションも、今までは有名芸能人やタレント、モデルを使ったプロモーションが一般的だったが、ユニクロやGUでも人気YouTuberを使って商品プロモーションを始めているし、人気YouTuberたちを集めたマネージメント会社まである。人気YouTuberを使うメリットは大きく3つあって、1つはマスメディアと比較して費用が少なく済むこと。動画視聴ターゲットをあらかじめ想定したプロモーションが可能な点、プロモーション自体のリアクションが確認できるところもメリットになっている。

ゲームから派生したので、若い視聴者が多い

 そもそもYouTuber人気に火を付けた背景は、ゲームコンテンツによるところが大きかった。ゲーム攻略や実況を通した動画が派生したケースが多く、そういった経緯からYouTuber視聴者に若い人が多い理由の一つだろう。実際、総務省が行ったメディア接触に関する実態調査でも「全年代(10~60代)での休日におけるテレビ系動画視聴時間256.2分に対してネット系動画は26.5分」。これが「20代ではテレビ176.4分に対しネット60.4分」「10代はテレビ142.4分に対してネット68.1分」といった具合に若くなるに従ってインターネットを介して動画を視聴する傾向だ。

10~20代向けに「裏ワザ」や「あったら便利」

 これだけ、メデイアの性格がはっきりしていると、効果が期待できるプロモーションの方向性も断定しやすい。ファッション分野で活用するとなると、特に若い10~20代に向けたアプローチに絞った動画にすることで理解力が深まるコンテンツが好ましいだろう。

 ファッション経験の浅い若者に向けた「ネクタイの結び方」は既に多くの動画投稿が存在しているようだし、ファッショントレンドとしても注目のプリントスカーフの巻き方やアレンジテクニックを指南している投稿サイトはWEB売上高構成比の高い専門店では取り組んでいる。こうしたファッションの「裏ワザ」紹介や「あったら便利」的な機能商品のアピールが現在の動画投稿サイトには向いていると思う。

 しかし、これからもっと動画作成、編集、視聴行動が手軽になってくると商品アピール自体も現在の写真から動画に移っていくことが予想できる。商品の素材感やシルエットを、アバターの動きによって確認して購入する時代は、早晩訪れるかも知れない。

10代の若者はZOZOTOWNよりAmazon?

 現在、日本のファッションECサイトでは磐石な支持を集めているZOZOTOWNでさえ、最近の調査よると10代くらいの若者たちの間ではAmazonの利用率の方が高いという結果も出ている。インターネットツールを交えたファッションの在り方も多種多様に、サブカルチックに進化と変化が繰り返されていく。

 今はオープンソースの時代でベンチャー企業は、アイデアと技術と行動力を備えて活動してくる。大企業であればそうしたベンチャー企業を買う選択肢があるが、そうじゃない企業は自前で育てるしかない。新たな技術導入へのチャレンジに目を背けてばかりではいられない。