ほとんどの事業者が「/」を採用する2つの理由

 食品表示法の完全実施は、2020年4月1日以降に製造あるいは加工された商品が対象ですが、昨年1年間で、大手企業の商品はほとんど新表示に移行しています。私が見る限り、ごく一部を除いて、表示例②(表示例⑦)を採用しています。

 なぜ「/」にしているかというと、一番大きな理由は文字数が変わらないことです。「、」を「/」に変更するだけなので、原材料表示欄の行数が増えず、デザイン変更をする必要がありません。

 もう一つの理由は、一番目立たない方法なので、消費者が「表示が変わったことに気付きにくい」ということがあります。

 テレビや新聞、雑誌などのマスコミでは、新表示についてほとんど報道していないので、多くの消費者がこのことに気付いていません(実は食品業界の関係者ですら知らない人が多いのです)。

 ところが、講演会のクイズで「/」以降が添加物だと知った途端、消費者の目の色が変わります。驚きとともに「これはいい」という表情をします。

 私は、この方法を「スラッシュルール」と呼んでいますが、これから消費者は『スラッシュ以降だけ見れば、どこからが添加物なのかを簡単に見極めることができます。そして、添加物が多いかどうかもよく分かる』のです。

表示を変更しただけでは済まされなくなります

 私は、講演会などで「どこからが添加物なのですか?」「何か決まりはないのですか?」とよく質問されていましたが、これからは「/以降が添加物です」と簡単に答えられるようになりました。

 添加物と添加物以外の原材料が、ハッキリ分かるようになるということは、添加物が多く使われている食品か、少ない食品かが誰にでも簡単に分かるようになるということです。そうなれば、できるだけ添加物の少ない商品を選ぶ消費者も増えるでしょう。

 これからは表示を変更しただけでは済まない、添加物が少ない商品を開発・品揃えしなければ消費者に支持されなくなる可能性があるわけです。