手書きPOP導入後、売場に根付くかどうかの分かれ道の一つとして、担当者が伝えることを『楽しめるか』があります。「書け」と言われて仕方なく書いていると忙しさを理由にPOPがおろそかになりやすいもの。

 でも、『楽しい』と思えると継続できます。『書くことを楽しむ』のではなく、『伝えることを楽しむ』ことで売上げが上がるPOPへと進化をさせていけるのです。

『青森県民生協POPコンテスト』を開きました

 この連載の〈ポイント⑦〉「匿名POPより記名POP」で紹介した青森県民生協でPOP研修を受けた約200人に月刊『商業界』のPOP大賞応募を案内したところ、30人ほどが応募しました。

 そして、『商業界POP大賞』参加と同時に『青森県民生協POPコンテスト』をすることにしました。

POPコンテストに集まったPOP。 

 社員・パートのモチベーションアップに心を砕く青森県民生協の嶋田常務理事は「皆、頑張ったのだから全員にそれなりの賞をあげたい。『努力賞』は下位に感じるから、それ以外の賞にしたい」と考えました。

「最優秀グランプリ燃え萌え大賞」

「風流大賞」

「立体大賞」

「わくわく楽しませ大賞」

「コミュニケーション素晴らしい大賞」

「最優秀グランプリ情熱大賞」

「とても丁寧で真心満開大賞」

「キュートなアート大賞」

 などの賞を作りました。授賞式では常務理事が景品を準備し、私からも宮古島土産“ちんすこう”を参加賞としてプレゼント。

 本人たちに言えないものの、実力はまだまだです。とはいえ、POPに意識を向けて間もない人がPOPコンテストに応募するのは意識が高いといえます。その人たちへの賛辞を込めた授賞式でした。

初期から定着の時期、私は最大限褒めます

 私は研修で、初期段階から定着に向かう時期は最大限褒めます。心にもないことは言いません。どんな人のPOPでも必ず良いところがあるので、そこを具体的に「良い」と認め、全力で褒めます。POP初心者に「自分のPOPはこれでいいんだ」と安心して書き進めてもらうため、次のステージに進んでもらうためです。

 文字の読みやすさやレイアウト、コピー、配色、イラスト、写真、考え方など褒めるべきポイントは何でもあります。たとえ見た目に良いところがないように見えても、細かく見ていくと必ずあります。「この文字が読みやすい」「余白の取り方がプロ並み」「この飾りが女心をつかんでいる」「角ペンをうまく利用している」などなど、いくらでもあります。

 書いている最中に確認して「この文字の一画目がいい味を出している」「ペンの持ち方が正しい」と伝えることもあります。出来上がったPOPが稚拙でも「心がこもっている」「丁寧」「熱意を感じる」など良いところを認めます。雑に書いていたら「勢いがある」「迫力がある」「斬新」など、良いところは無限に見つけられるのです。その上で改善点を指摘します。