神奈川県の中部に位置した人口約13万人規模の座間市。日産自動車座間事業所(旧座間工場)の一部敷地に2018年3月16日(金)、イオンモール座間がグランドオープンした。相模原市、大和市、厚木市、海老名市に接する同モールは車25分(半径5km)圏内、約28万世帯・約61万人を基本商圏とする。外部からの交通アクセスは小田急小田原線「相武台前」駅、小田急江ノ島線「南林間」駅、「中央林間」駅(東急田園都市線も乗り入れ)と多くの鉄道駅からの選択はできが、それぞれの駅から2~3kmの距離があるので、歩くよりバスを利用した方が便利だ。そういった意味でも県道50号の座間-大和線沿いに位置した同モールは、地域住民にどれだけ普段使いに勝手の良い施設となるのかがポイントになるだろう。

 核店舗は「イオンスタイル座間」でサブ核専門店はスポーツオーソリティ、H&M、ユニクロ、GU、ノジマ、namco、紀伊國屋書店とテナント総数は163。地元企業の参加として、日産自動車株式会社の「NISSAN ZAMA INFORMATION CENTER」がテナントとして入っているあたりに地域色が感じられる。同じように地域色が感じられる取り組みが座間歴史探訪と座間市インフォメーションボードの設置がある。ここでは歴史動画の配信や年表など、来館時に住み慣れた自分の町についてちょっとした学びに適している。住民票の写しや印鑑登録証明などの各種行政証明書の交付ができる「マルチメディアステーション」を1階サービスカウンターに設置、行政サービスも取り入れて買物ついでに用事も済ましてしまう利便性も意識した。

 モールの全体感では「食」を強化。フードエンターティメントとして1階にはイオンスタイルと融合した食物販ゾーン「ZAMA DELI」、2階はこだわりグルメが楽しめるレストラン街「WONDER DINING」、3階では席数市内最大級の約1,000席、12店舗から連なるフードコート「Food Forest」を配置、計45店舗で構成された食の世界を表現している。        

 座間市では30~40代のファミリー層の構成比が高いようで、イオンスタイルが展開する「キッズリパブリック」では1800㎡の広さで今回キッズ&ベビーゾーンを形成した。フロアの中心には天然木にこだわったキッズの遊び場「KIDS FIELD」を導入し、買物の合間に遊具やすべり台を無料で楽しめるスペースを提供。買物待ち時間を嫌ってぐずる子供たちの不満解消を狙ったサービスに配慮した。同じ3階にはnamcoもあり、最先端のVR技術を駆使した体感マシンゲームやホラー脱出ゲームなど少し年齢層の高い子供たちにも楽しめるコンテンツをそろえた。

 近代的なモール設備として、館内のフロアマップは大画面のタッチパネル式で見やすく使いやすい。コミュニティバスをはじめとした最寄り駅までバスの時刻表もタッチパネルで確認できる。デジタルサイネージとして人口知能(AI)搭載の対話型案内システムを導入、注目を集める。他にも出入り口混雑情報表示など、周辺道路は片側一車線道路しかないだけに車で訪れたお客には有難いサービスも提供されている。

 周辺の競合施設には車で16分、距離にして約4Kmのところに大和オークシティ(イオンモール大和鶴間店+イトーヨーカドー鶴間大和店)がある。カニバリズムも気になるところだが、これからいかに地域に溶け込み、愛されるショッピングモールへ発展できるのか注目していきたい。

「お茶をしながら郵便サービス」施設内の郵便サービスに隣接したチャバー(店名)。タピオカドリンクやクレープなど軽食が楽しめる。
「日産座間インフォメーションセンター」新・旧合わせた実車の展示、歴史など映像を交えて楽しめるスペース。
「インフォメーションカウンター」2階の吹き抜け部分に有人とAI(人口知能)機能搭載の対話型案内システム。
タッチパネル式のフロア案内板とAI機能搭載の対話型案内システム。
女性トイレには簡易式のパウダールームも設置している。
西側駐車場に急速充電器2台、普通充電器8台の電気自動車用のEVステーションで利用者の利便性を高める。

フロアごとの「モールの見どころ」はここ!

 イオンモール座間の専門店コーナーはイオンスタイルのフロア構成に合わせてフロアごとに同類カテゴリーの店を集めて編集している。

 1階のスポーツ・レジャーエリアでは、イオンペットの新ブランド専門店「PeTeMo」はペットの命を守ることをコンセプトにした新しいペットストア。「Pet」と「Emotion」をキーワードに、ペットの気持ちを理解するための知識と愛情を持った高品質なサービスを提供する。隣にはチャイハネを運営している(株)アミナコレクションのファミリーターゲットにした総合取扱い業態「アメツチテラス」は全国で3店舗となる。エスニックな香りのするネイティブテイストの雰囲気を店頭から醸し出している。

 アーバンライフスタイルと称したエリアに、東京の青梅に本社のある(株)メックスの「GRAND GLOBAL」は、比較的お手頃な価格帯で展開している。メンズ・レディス向けに、こだわりのカジュアルファッションを提案した。(株)イデアインターナショナルが提案する体験型ギフトショップの「GOOD GIFT GO」はプライムツリー赤池(愛知県、セブン&アイ・ホールディングスのSC)に続いて2店舗目の出店となる。(株)ワールドがSC中心に展開するオール・ベネフィット・ストア(お客のニーズを満たした喜びを提供する)がコンセプトのレディスブランドの「オルベネ」等がテナントイン。

 1階専門店側のキーテナントはスポーツオーソリティとH&M。特にH&Mは神奈川県下6店舗の店で売場面積は約530坪でH&Mとしては平均的な大きさ。ただし、通常店舗よりレディス下着、ホームウエアに力点を置いて品揃えた。今回、ライフスタイル型に編集しているのが新しい取り組みとして注目したい。オープン当日はモデルのラブリさんが来店して、1組限定のショッピング体験を提供する等のキャンペーンを予定した。

 2階の非食品エリアは、ユニセックスファミリーとレディスビューティの2大エリアが中心。キーテナントは「ユニクロ」「ジーユー」でファッション関係の専門店を多数そろえた。イオンと資本提携しているタカキューはメンズ・レディスのキャリア服を中心に品揃え、通常コンセッショナリーで展開していることの多い(株)ブルーメイトの「ハッシュパピー」は今回、スピンアウトしてテナントとして出店した。

 イオンのグループ会社のコックスは「ikka」をキッズも含めたファミリー単位で商品展開をしている。

 このフロアでの新業態はダイソーの300円ショップ「Threeppy 300 and Happy」。スリーコインズ(パルグループ)やクゥクゥ((株)ビルジャン)、イルーシー300(パレモ・ホールディングス㈱)のような華やかさは感じられなかったが、新たな顧客層の獲得に向けた品揃えが特徴だ。

 3階はキッズリパブリックをはじめとしたベビーキッズ専門店を集めた。(株)ハロー赤ちゃんの新業態「Hello赤ちゃん cotoris」では、ベビー関連の総合衣料を取り扱う。他にベビーキッズの総合品揃え型としては「マザウェイズ」も出店している。「Lovetoxic(ラブトキシック)」、「petit main(プティマイン)」といったナルミヤの人気専門店もある。このフロアでは、ベビーキッズの他に雑貨を取り扱ったお店も目立った。

バラエティ雑貨のヴィレッジヴァンガードや人気雑貨の「AWSOME STORE」、100円均一の「seria」等が入っている。

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  • 所在地/神奈川県座間市広野台2-10-4
  • 開店日/2018年3月16日
  • 敷地面積/約1万7576坪
  • 総賃貸面積/約1万5151坪
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