東日本の優れたスーパーマーケット(SM)企業として呼び声が高いのがヨークベニマルとヤオコーだ。ヤオコーは新旗艦店舗となる「東松山新宿店」(埼玉県東松山市)を2月23日に、ヨークベニマルは、今年度の1号店「鹿沼上殿町(かみどのまち)店」(栃木県鹿沼市)を3月9日にオープンした。

 今回はオープン日に、ヨークベニマルの最新店舗に足を運び、その強さをマーチャンダイジング中心に探ってみることにする。

 売場面積は592坪。SKU数は食品7930、ライフフーズ(惣菜・ベーカリー)110、衣料・住居1260で、総取扱い数で9300。売上構成比は果物4.1%、野菜9.6%、鮮魚8.5%、精肉14.3%、惣菜7.6%、寿司2.7%、ベーカリー3.2%、日配20.6%、加工食品25.7%、日用品3.7%。初年度の年商は14億円を見込んでいる。

「鹿沼上殿町店」は、売場面積約600坪で、鹿沼市内では「鹿沼店」「鹿沼睦町店」に続き、3店舗目、シェアを高めてドミナント化を図る。

SMは通常出入り口は2カ所あるが、この店ではヨークベニマルで初めて出入り口を1カ所にし、出口と入り口を設けた。大髙善興会長によれば、「米国は空調などコスト意識が高いが、日本はバックヤードも含めて取り組みが遅れている。お客さまはすぐに惣菜売場に行けないなど利便性を損なうが、今回、チャレンジして、反応を見てみる」という。

青果:売場づくりの技術に注目!

青果から売場が始まるのはSMの常套手段で、利益率の高い果物から柑橘類を並べて衝動買いも誘う。
アウトパックのカットフルーツはアイテムを絞り込んでロス率を抑える。アウトパックのフルーツタルトもある。
JRかみつがと連携し、地元農家の農産物を直接仕入れ、日光のゆば、鹿沼蕎麦、荒川養殖鮎甘露煮といった加工品も一緒に取り扱う「栃木県産の野菜」コーナー。

 
レタス類は種類も豊富、土づくりや農法にこだわった産地限定のヨークベニマルの「三ツ星野菜」のレタスは128円で売られていた。
室内栽培のアイテムを「完全室内栽培」としてクリーンなイメージをアピールしている。
カット野菜など簡便調理野菜も充実した品揃え。
オープン日ということもあるが、野菜は低価格を大々的にアピールしている。大根158円、キャベツ198円、きゅうり28円、アプパラガスはメキシコ産で100g78円、もやしは28円、ディスカウントストアほどの激安ではないが、以前と比べて価格強化している。果物も「栃木県産とちおとめ(大粒)」298円、4パックなら1000円の大盤振る舞いだ。

鮮魚:商品化の工夫を参考に!

オープンニングということもあり、丸魚は豊富な品揃え。金目鯛1280円、キチジ980円,関サバ1280円と高級魚もそろえ、冷凍毛ガニは1480円、一方でイワシ48円、アジ98円、サバ298円と大衆魚の青魚を特価で販売。
オープニングで刺身盛り合わせは1000円、珍しいマハタの薄造りは580円、少量パックの刺身は単品と2品盛りがあり300円。マグロは、メバチは生100g498円、解凍は398円。
冷凍の切身アイテムは、銀鮭、赤魚、サバ、メカジキ、カラスガレイを98円で提供し、低価格需要に対応する。冷凍ボイルホタテ500g580円など割安のジャンボパックもそろえる。
干物や漬魚はオーソドックスな品揃え。ウナギも国産と中国産を揃えるが、ハイグレード商品は取り扱わない。

精肉:お客視点の売り方をウオッチ!

ブランド牛は栃木であることから滝沢ハムの「前日光和牛」、バラ肉は米国産。
豚肉は国産がメインで、力を入れているカナダ産も展開。関連陳列する商品もただ置いているのではなく、売るためにきっちり展開されている。1kgのジャンボパックも投入している。
鶏肉は国産が中心の品揃え。今、トレンドの脂肪カットアイテムも投入している。環境に配慮し、食品トレーナーを使わないコーナーも展開しているが、消費者の反応がいまいちなのか、ヨークベニマルに限らずなかなか広がらない。
「骨付き肉」で肉の旨さをアピール、豚のスペアリブ、鶏のモモ、手羽元を集めてコーナー化している。ハンバーグ、チャーハン、カレー用に、豚と鶏の粗挽き肉をコーナー化、「お肉の旨みたっぷり」のキャッチコピーを付けてアピール。
畜肉製品はベーシックな品揃え。生ハムも国産、オープニングでウィンナーの人気商品・日本ハムの「シャウエッセン」2袋298円で販売していた。セブン&アイ・ホールディングスのPB「セブンプレミアム」のヒット商品「金のハンバーグ」「金のビーフカレー」「金のビーフシチュ」を集積して展開している。

惣菜:アイテムの広げ方を理解!

天ぷらの単品はエビ、あなご、かき揚げ120円、サツマ芋85円など、ミックス天ぷらは380円。コロッケは78円、いもフライ串120円など串物も。アユの塩焼は398円。「熟成柔らかとんかつは2枚795円。ほたての照焼は5個498円。手造り国産チキンカツは198円。
評価が高い惣菜はグループ企業のライフフーズ。商品開発には力を入れており、酒のつまみやスナック需要に対応する。「トッピング焼きそば」は焼鳥、鶏唐揚げ、イカ唐揚げとソース焼きそばとのそれぞれセットが298円。いか唐揚げと鶏唐揚げとソース焼きそばの「スナックセット」は350円。栃木産のポテト入り焼きそばは398円。「豚フィレ肉のコンフィ」698円といったアイテムも。
「店内炊飯むすび」は120円、130円、140円。おむすびセットは唐揚げ、ウィンナー、卵焼き、ホウレン草、おむすび2個で298円。
寿司はインストア加工。オープン特価で大トロ2貫入りの握りは9貫680円、生まぐろ握り9貫も980円、ボリュームたっぷりの鉄火丼、いくら丼、サーモン丼も500円。めばちまぐろたたき細巻430円には練り本わさびが付いていた。寿司の冷蔵ケースは12℃で管理されている。巻き寿司のバイキングは88円。イートインコーナーでの利用を進めるボードも設置している。
ライフフーズのデリカの特色は簡便調理アイテムとして冷凍アイテムを充実していること。コーンクリーム、カボチャなどスープは198円、おかずは回鍋肉258円、煮込みハンバーグ268円、さといもとレンコンのそぼろ煮198円など。牛丼、豚丼、中華丼は298円。カチカチメロンパンは160円。いずれもクオリティは高い。試食販売のマネキンさんによると、どの店でもよく売れるという。売るコツは試食を1種類ではなく、数種類を台に並べることだそうだ。

インストアベーカリー:商品化のアイデアが柔軟!

集客効果の高いライフフーズのベーカリー「モンペリエ」。「うまっ!こっぺ」はメンチカツなどを挟んだ調理パン。ねぎ塩ささみカツは250円。人気の塩パンをメロンパンにした「塩メロンパン」118円。クロワッサンをスイーツにした「イチゴクロワッサン」。食パンは熟成湯こねで1斤268円、2斤536円、3枚136円。ピザも熟成湯こね生地を使用し1ピース190円。人気商品のドーナツはオープン特価の88円で提供。店によっては揚げパンも展開している。
 
 

 

ベーカリーに隣接しているイートインスペースは34席。電子レンジと飲料の自販機、無料の給茶機を備え、有料のコーヒーマシンもある。