右が蟹瀬玲子さん、左がお嬢様のレナさん。

 オムニチャネルの世界に、これまでにない新しい形の店舗「無人オムニチャネルショップ」が登場した。その提案をするのがレナ・ジャポン・インスティチュート。SCビジネスフェア(主催:一般社団法人日本ショッピングセンター協会)のプレゼンテーションステージで、同社代表取締役の蟹瀬令子さんが「無人オムニチャネルショップ」のテーマでプレゼンテーションを行い、会場内では模擬店舗を展示した。

創業時から市場に国境が無いインターネット販売に限定

「無人オムニチャネル」という発想が生まれた背景には先見性を持った同社の歩みがある。

 

 同社は、広告代理店勤務を経て、数々の外資系化粧品ブランドなどに関わってきた蟹瀬さんが2007年に設立。肌荒れに悩む娘のために本当に良いものを作りたいという娘を思う蟹瀬さんの母心と、それまでの豊富な経験と知識から生み出された自然素材を使ったプレミアムなスキンケアブランドを扱う企業だ。

 販売にあたっては、設立当初からインターネットでの販売に限定。その理由の一つは、「会社設立前の6年間は、ザ・ボディショップの日本法人の代表取締役社長を勤めており、実店舗100店舗の展開と運営の大変さを実感しました。アントレプレナーとしてスタートするとき、実店舗を100店舗に伸ばしていく時間はないと考え、ネットショップに限定しました」と蟹瀬さん。

 もう一つの理由は「ネットの中で高級ブランドを作り、市場に国境の無いネットショップで、世界にブランドを発信したかった」という思いだ。

 だが、当時はまだインターネットショップは安物を扱うところといったイメージがあり、広告宣伝関係者の協力は得られず、注文も8割は電話で、WEBからの注文は2割にすぎなかったという。

 それから10年。スマートフォンの急激な普及により、ネットで商品を購入するのは当たり前の時代になり、ネットの中で価値を訴求してきた同社の製品も、プレミアムブランドとして支持されるブランドに育った。

店内で「情報収集からテスティング、購入、決済まで」完結

 そんなある日、蟹瀬さんの頭を「実店舗には実店舗の良さ、WEBにはWEB良さがある。双方を融合した新しい形ができないか」という考えがよぎった。

「今、消費者はフェイスブック、インスタグラム、ツイッター、ユーチューブなどのSNSや@コスメ、テレビ、雑誌などさまざまな手段で情報を収集し、その情報が拡散していくという強い情報網ができていて、市場が大きく変わっています。これまで実店舗の中にちょっとだけネット環境を取り入れた形はありましたが、実店舗とネットを、もっとしっかりつなげられないかと考えたのです」と蟹瀬さん。

 そして誕生したのが「無人オムニチャネルショップ」だ。同社では、このショップを「Happiness is(幸せはここに)」と命名し、「Happiness is レナ・ジャポン」というように店名としていく。