埼玉、千葉など首都圏にスーパーマーケット(SM)100店舗を展開するベルク(本部:埼玉県鶴ヶ島市)が2013年5月から、58カ月連続で既存店伸び率100%超えとなっている。

 一般的に「既存店」とは新規オープンから12カ月経過後の店舗を指す。新規出店も含まれる全店売上高の伸長とは異なり、顧客の支持、店舗の成長性を指す目安として流通業界では重視される。上場企業でも決算時の参考資料として開示されることが多い。ただし、ベルクの場合、通期平均の伸長率ではなく、毎月伸び続けている点に注目したい。

 業界団体である新日本スーパーマーケット協会(270社)の統計での既存店伸びを見てみると、2017年度(1月~12月)は99.6%、2016年度は100.8%。

 また、SMの中では優良企業として同業他社から注目されるヤオコーでは前年度(2016年4月~2017年3月)は102.0%、今年度もまだ期中であるが上期(2017年4月~同9月)では102.2%となっている(ただし、月別にみると台風、雨天に悩まされた10月は99.6%と、同業他社同様にわずかに既存店前年比を割り込んだ)。

 生鮮はじめ食品全般を扱うために競合も多く、天候の影響も受けやすいSMは1社勝ち残りが難しい業態である。それだけにベルクの特異さが際立つ。

店舗の「適正規模」、設備・作業の「標準化」の徹底で業界屈指の高生産性

 同社は1959年、埼玉県秩父に主婦の店を開設したのが発祥。ただし、当初より米国のチェーンストア理論に基づき、店舗の「適正規模」、設備・作業の「標準化」の徹底を図り、大規模小売店舗法下にあってもほぼ全店1500㎡規模での出店を進めてきた。また生鮮、ドライ分野の自社センターの設置・活用にも早くから取り組んでおり、一人当たり年間売上高3382万円(上場SM平均2529万円*ともに2017年2月期)と高い人的生産性でも知られている。  

 2017年2月期の営業収益1935億円、営業利益91億円。営業利益率4.7%は2~3%が多い業界水準の中では高い。また前期中に総店舗数も106店舗となった。

 客単価などは生鮮などの相場高により上ブレすることもあるが、客数は機会ロスの撲滅や催事の展開など企業側での運営努力によるところが大きい。

 実際にベルクの売場を見てみると、売場先頭の平台では98円の価格ラインを中心とした野菜、果物の展開が目立つ。第3平台以降では3月下旬に向けて購入頻度が上がるフキノトウ、タラの芽などの春野菜の展開に合わせて炊き込みご飯の素などを関連陳列させるなど一品単価を抑えつつ、買上げ点数を高める売場づくりが目立つ。

 冷凍食品はEDLP、特売は卵は水曜と日曜に限るなど特売に伴う作業を発生させないように思える販促である。ゴンドラは全てキャスター付きの可動式什器、天井からつり下げるイベント告知のタペストリーもロールスクリーンタイプで切り替えが容易になっている。

 基本的な作業を標準化、省力化する一方で、顧客の販売行動に対応した売場づくりに人時を投入する。ベルクの店には決して派手さはなく、マスコミへの露出もほとんどないが、買物する立場、店で働く立場双方になってみると徹底した合理主義が見て取れる。