「皆さん、おはようございます」

 こうイオンモールの吉田昭夫社長があいさつをすると、参加者の「おはようございます」との声に続き、子供たちから大歓声が沸き起こった。

 3月5日(土)の午前10時。場所は神奈川県にあるイオンモール座間の1階駐車場。

「イオン ふるさとの森づくり」植樹祭は、こんなに盛り上がるのか。

地域住民と地域に自生する樹木を植える

 吉田社長はあいさつに続き、この活動を「地域の皆さまと地域に自生する樹木を一緒に植える、イオンが取り組みます環境保全活動の一環でございます」と参加者たちに説明した。

 イオンは、この取り組みを1991年、イオンマレーシアのマラッカ店から始めた。その後、店舗が開店するたびに日本、中国、アセアン諸国で続けられた、この活動は今年で26年。植えた樹木の数は1150万本になるという。

 この日、イオンモール座間の周囲に植えられる樹木は約1万本。スダジイ、ヤブニッケイなどの高・中木が36種、ヤマツツジ、ムラサキシキブなどの低木が30種の合計66種類。もちろん、これらは地域に自生する樹木を中心に選定されている。

 こうした説明の後、吉田社長は「いわゆる鎮守の森をつくろうという形での植樹活動であります」と話をした。

環境や地域との共生を感じるから盛り上がる

 主賓を代表して話をした座間市の遠藤三紀夫市長。そのあいさつの中で、次のような話をした。

座間市の遠藤三紀夫市長。

「思い起こしますと、ちょうど7年前の東日本大震災。この発災の後、座間の街にとってシンボルであった日産自動車株式会社さんの座間工場、座間事業所の一番北の外れにイオンモールをという話をいただきました」

 そして、震災の経験が環境との共生や地域との共生に対して、さらに意識をする大きなきっかけとなったのだという趣旨の発言をした。

 イオンの植樹祭は子供にとっては親と一緒の週末のイベントかもしれないが、親世代にとっては自分たちが住む地域の自然を守る良い取り組み。その普段したくてもなかなかできないことを住民が一緒に行うから、参加意識が高まるのだろう。

 しかも、それを地域の拠点となる新しいショッピングセンターで行うから、「こんな立派な施設ができた」との晴れやかさも加わり、気分が高揚、植樹祭が盛り上がるというわけか。

 この日も参加者は全部で約1200人になるという。

ポット苗木を植えて、わら敷き、縄かけ

 式典が終わると、いよいよ植樹を行う。

植樹方法はイオングループの社員が丁寧に教えてくれる。

 参加者はグループに分けられており、その場所で植樹をするのだが、イオングループの社員がその方法を懇切丁寧に教えてくれる(会場では植樹に関する資料も配られる)。

 まずは用意されたポット苗木を水に付けるところからだが、全ての工程を説明していると紙幅が足りなくなるので(いや、これはWEB媒体だった)、簡単に説明すると、参加者は配られたスコップでポットの1.5倍の穴を掘り、そこにポット苗木を入れて、上から土をかぶせることがやることの中心。

 その後、土の乾燥防止と雑草防除、土の流出防止に将来の有機質の補給などを目的に、苗木の間に稲わらを敷いて、その上から縄かけをし、わらが飛ばないように押さえ付けながら、なじませていく。

 これが終わると、清掃と記念撮影を行い、参加者は記念品(トップバリュの缶詰やドレッシング、野菜ジュース)を受け取り、作業完了となる。

植えてみると何だか地域に愛着が湧く

イオンモールの吉田昭夫社長。

 イオングループの経営幹部や座間市の来賓たちが植樹する場所で取材をしていたが、イオンモールの吉田社長も、イオンリテールの岡崎双一社長もよく動く。イオンモールやイオンリテールの社員たちは子供たちと会話をしながら、一緒に植樹をしていく。

 こうした姿が植樹をする中で、自然と地域住民たちの目に入る。日常の買物の場面では出くわさない、こうしたイオングループの人たちの姿を地域住民たちが知るのも、こうした活動ならではだろう。

イオンリテールの岡崎双一社長。

「鈴木さんも植えればいいのに」と、イオンモールの広報部長に言ってもらったので、イオンの環境・社会貢献・PR・IR担当にスコップを借りて、植樹をした。

 出身は神奈川県だが、あまりなじみがない座間という土地でも植樹をすると愛着が湧く。これは地域住民ならもっと強いだろうし、植樹をした人の名前がボードで掲出されるから、それを見て植樹をしたことを思い出し、地域に対する思いをより一層強くするのだろう。

 この植樹の取り組み、経営陣には忙しい中、参加をするので負担になるのかもしれないが、ぜひともこれからも続けてもらいたいと思う。