がんは高齢になれば疾患率も死亡率も高くなります。日本の近年のがん粗死亡率および粗罹患率の増加は高齢化が大きな要因となっています。

 少子高齢化の日本では、こうした数字が高くなるのは当然のことです。このような年齢分布の影響を除去してがんの増減を見るために用いられるのが、「年齢調整死亡率」です。

 年齢調整罹患率では死亡率は減少しています。しかし、疾患率は男女とも1980 年以降、増加し続けています。つまり、全世代でがん闘病患者は増えているのです。今や男女ともに2人に1人。糖尿病よりも多い病気ががん。高齢者だけの病気ではないことが分かります。

 ここに国として見た場合の将来の日本の課題があります。疾患が増え、死亡率が減少するということは、生涯医療が増えるということで、経済的な負担が増えることになります。加えて、40~50代の子育て世代の働き手のがん闘病患者が増えると当然、国の活力は衰退します。つまり、「国民の「健康状態の悪化」は「個人の経済」とともに、「国の経済」に影響を及ぼすのです。

 これが、シニア世代だけでなく、若年層にも強化されたがん予防の理由です。

 

40過ぎたら家族のためにも「自分の食」を見直して

 40、50歳からがん疾患は増え始めます。

 男性の若年層は、消化器系のがん(胃、大腸、肝臓)が多いのですが、これは暴飲暴食など乱れた食生活、飲酒、喫煙によって、臓器に負担をかけていることが大きく影響しています。「これも仕事だから」と毎晩夜遅くまで暴飲暴食を繰り返して働けない体になってしまっては本末転倒です。40歳を過ぎたらがんのお年頃だと認識しましょう。

 女性は40代では乳がん、子宮がん、卵巣がんだけで半数以上を占めます。特に乳がんは増え続け、近年では女性の11人に1人がなっていると言われています。これは、動物性脂肪の取り過ぎ、喫煙、飲酒、肥満が原因。実は40代女性は「野菜を食べない」「運動をしない」世代。経済的、時間的にも大変な子育て世代だからこそ、自分の健康を大切にするべきです。

 いずれの場合も生活習慣の改善、毎日の食事で予防ができます。今日の食事から、できることからやっていきましょう。