3月2日(金)、所沢駅(埼玉県)に商業施設「グランエミオ所沢」がオープンする。施設は、西武グループと住商グループの、互いに初のコラボレーション事業となる。やや複雑だが、西武鉄道が建物を保有、西武プロパティーズが開発を担当。住友商事と住商アーバン開発が運営・管理を手掛ける。

 所沢といえば、西武グループが本社も構える重要な拠点。西武プロパティーズも、郊外・都心の多彩な立地で駅ビル運営の堅実な実績を重ねる。なぜ、住商グループとタッグを組む必要があったのか。

所沢駅ビルから駅周辺を含む開発へ

グランエミオに直結する専用開発口。駅乗降客20万人の呼び込みを図る。

 今般オープンしたのは、グランエミオ所沢の第一区画にあたり、2020年に第二区画のオープンが予定されている。両者に、西武所沢車両工場の跡地(所沢市東住吉)の最開発事業も加わり、所沢駅と駅周辺を含むエリアで大規模な再開発事業が進んでいる。

「所沢駅は沿線を引っ張る重要な駅。東口(グランエミオ)、西口(車両工場)と(開発が)続く。SC(商業施設)ノウハウのある外部(企業)と、西武(西武プロパティーズ)の蓄積を合わせ、よりよいものにしたい」(西武プロパティーズ 川上昇司氏)

 ではなぜ、数ある商業施設デベロッパーの中から住商アーバン開発に決まったのか。

「『西口(の施設)だけやりたい』『土地も売ってほしい』など、正直いろいろな(会社の)オファーがあったようです。さまざまな条件から、弊社に決まりました」(住商アーバン開発 グランエミオ総括支配人 西森敦史氏)

湘南テラスモールと所沢駅前の親和性

 この辺りの事情は、時間軸をさかのぼって考える必要がありそうだ。住友アーバン開発のある取引先はこう補足してくれた。再開発計画の青写真を描いている頃、西武グループには余裕がなかった。ホテルなど資産の売却と並行して、事業の整理も進めていた。「所沢駅とその一帯を含む大規模な再開発を、『正直西武プロパティー単独でできるの』という不安があったのでしょう」(取引先)

「さて、どこと組むか」と模索している頃、脚光を浴びていたのが、湘南テラスモールだ。住友商事が開発し、住商アーバンが運営するSCは、業績が好調なだけでなく、日本ショップングセンター協会からも表彰されている。

「テラスモールも工場跡地で、(所沢)西口も車両工場跡。難しい底地からの開発の実績を買ったのでしょう」(取引先)

 意外なコラボレーションの根拠の一つは、工場跡地という親和性。商業施設開発には、いかに長期的な視野が求められるかを端的に示す証左とも言える。西武グループは、所沢に続き、池袋、東村山、中井、野方(いずれも都内)の再開発を検討中だ。

三世代をターゲットとするビームス・ミーニングは、カジュアル色がやや濃い。入口近くに立地し、SCの顔としての位置付け。
つけめん・ラーメンの「UNDERGROUND RAMEN頑者」。チェーン店だけでなく地元(川越)の名店を召致し、地域商業との共栄を図る。

 

  • 【施設概要】
  • 施設名/グランエミオ所沢
  • 所在地/所沢市くすのき台1-14-5
  • 延べ床面積/11万6000㎡(Ⅱ期完成時)
  • 店舗面積/約1万8500㎡(Ⅱ期完成時)
  • 店舗数/77店舗(Ⅰ期)、40~50店舗(Ⅱ期
  • 駐車台数/約500台