史上最悪のインフル流行。深刻化する花粉症。喉や目が痛くなる排気ガス。ストレスや大気汚染にさらされた現代人の免疫は低下しているといえるでしょう。

 免疫の低下は不調だけでなく、がんや循環器疾患、糖尿病など多く生活習慣病を引き起こします。また、代謝が落ちることで太りやすく、肥満の原因にもなります。

 寒い冬はもちろん、寒さが一段落し、気温の変化が激しくなる季節の変わり目は、自律神経のバランスが乱れて不調が起こりやすい時期。免疫アップの需要な鍵になるのが食事です。

 ただし、必要以上にこだわりすぎる食事はストレスのもと、免疫の大敵です。

 そこで、無理なくできるカンタン免疫アップ術「週1ひとり鍋」を紹介しましょう。

「ひとり鍋」って、知っていますか? 

「鍋を囲む」――家族団欒の象徴であった鍋の進化系。

 文字通り、ひとり用の小さい鍋で食べるスタイルのことです。“個食“の波は家族団欒の象徴だった鍋も例外ではありません。

 1人で食べる鍋なんて虚しい……、そんなことはありません。単身世帯が3割を超える時代、むしろ自然な流れです。

 みんなどこかで「健康になりたい」と思っている現代人。野菜だって食べた方がいいに決まっています。分かってはいるけど、時間もゆとりもない、やり方が分からない。それが現実ですよね。

 そんな現代人に、決して無理せず、寄り添った健康を確保してくれる習慣としてお勧めしたいのがひとり鍋です。

 難しい健康知識がなくても、セレブのダイエット法を知らなくても、お財布の中身が厳しくても、誰でもきっと食べたことのある家庭料理こそ、「健康格差」が生まれにくいメニューです。

 たかが鍋、されど鍋なんです!

 まずは、鍋料理の栄養面での優れた点と、効果的な選び方と食べ方を紹介します。

「鍋はそんなにいいのか?」 この素朴な疑問にお答えしましょう。

鍋のここがえらい!「和食の6つのいいとこ取り」

 一見、地味で庶民的な「鍋」ですが、実はハイスペックです。

 世界が認めた無形文化財「和食」のヘルシーな低脂肪高タンパク、バランスがとれた「和食のいいとこ取り」のメニューです。現代人はライフステージで健康課題が複雑で異なります。鍋はそんな現代人のどんな世代にもマッチする、万能料理なんです。そんな「いいとこ取りポイント」を6つ紹介します。

(1)野菜のビタミンとミネラルは免疫を高め、塩分を排出

 野菜不足の日本人。野菜には体の免疫を高めてくれるビタミンやミネラルがたくさん含まれています。これらは「スカベンジャー」と呼ばれ、不要なゴミをどさっと出してくれる体の「掃除屋」。老化を防いで免疫や基礎代謝をアップしてくれます。

 中でも塩分を体外に排出してくれる「カリウム」は日本人にとって重要な栄養素。それだけでなく、老化を防いで基礎代謝をアップし、太りにくい体にしてくれます。

 反対に、不足すれば、高血圧やメタボの原因になるだけでなく、老化そのものが進行します。

 当然、体の免疫も落ちるので、がんのリスクが高まりますし、日常的に風邪を引きやすくなったり、インフルエンザや花粉症などのアレルギー症状も出やすくなります。

 現在、「1日350g」を上回る野菜を摂取している世代は何と70代以上だけ。どの世代も増量が必要で、今よりもう1種類、片手分70gをプラスすることが必要です。

 そんなとき、鍋料理なら生野菜よりもかさが減ってたくさん食べられます。どんな野菜でもおいしくなるし、失敗がない。しかも、カット野菜を使えば調理いらず。余り物の野菜でも大丈夫なのもうれしい。歯が悪くてサラダが苦手なお年寄りや、野菜嫌いの子供も、汁物だと食べてくれます。

(2)冷えは万病のもと、鍋で内側から体を温めましょう

 平熱が36℃以下の人は要注意です。体の維持に欠かせない酵素が働くには、37.2℃がベスト。自律神経は体温を維持するようにコントロールしていますが、寒さは体にとって強いストレス。体温が下がる状態では、免疫力が低下してしまいます。特に寒い日には体の中から温めることが大切。温かい鍋物でポカポカと温かい体を保ちましょう。

 近年、若い世代でも不調が多いのは、体の冷えから年齢以上に免疫が落ちているためという可能性があります。ストレスに加えて、体を動かす活動量が少ない現代人には、男女問わず「年中冷え性」も増えています。鍋のスープは疲労回復に重要な水分補給にも一役買ってくれます。塩分は必要ですが、野菜や魚などのだしを上手に効かせて薄味を心掛ければ、適量に調整できます。

(3)調味料の余計な糖質・脂肪の心配なし!

 近年増えている乳がんなどは動物性脂肪の取り過ぎが影響しています。

 鍋は、和食ならではのだしの「うまみ」で味わう料理。当然、油を使う必要がありませんし、ドレッシングやマヨネーズ、ソースなどの調味料も使わない安心メニュー。おみそ汁のように定番として毎日食べたい、汁ものです。

 さらに、大根おろしやショウガなどの薬味を使えば基礎代謝も上がり、メタボ予防にもなります。調味料の脂肪分や糖質は盲点で、意識せずに取ってしまうので、太る一因に。その点、ヘルシーな鍋はオススメです。