2月23日、ユニーとドン・キホーテのダブルネームの業態転換1号店「MEGAドン・キホーテUNY大口店」(横浜市神奈川区)がオープンした。

 これは昨年11月のユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)とドンキホーテHDの資本・業務提携による、ユニーのGMS(総合スーパー)店舗再生の取り組みで、旧「ピアゴ」をリニューアルオープンしたもの。

 双方の強みを生かしてノウハウを融合して店づくりを進めるとしていたが、ふたを開けてみれば「ドンキ色の極めて強い店舗」に仕上がっており、予想されたとはいえ、「ドンキのドンキによるユニーのための」取り組みという色彩が強く感じられた。

長崎屋の再建も「食品強化、実用衣料中心」で

 リニューアルのキーマンであるユニーの取締役常務執行役員 社長補佐、UFDプロジェクト担当の関口憲司氏は、ドン・キホーテ出身で、徹底的にドンキ流にこだわり子会社化した長崎屋の経営再建に手腕を発揮した人物だ。

 今回の取り組みを語るのには長崎屋での経験が大きく反映されているのは容易に想像できるため、まずそこから説き起こしておこう。

 関口氏は会見で、次のように振り返った。

「5年くらいで新しい形のGMSを何とか形にすることができ、死に体に近かった店をほとんど全てMEGAドン・キホーテに転換してよみがえらすことができた。こうしゃべると簡単だったようだが、七転び八起きどころではなく、100回失敗しつつ1回成功して、その1回を積み重ねていくような非常に厳しい日々を送った。非常に多くのお金と従業員、時間を使ってようやくたどり着いた果敢なる挑戦だった」

 当時のドン・キホーテの店舗規模は500坪まで、それに対し長崎屋は2000坪以上の大型店で、客層も若者とシニアと大きくかけ離れていた。それを大型のディスカウントストアを作ることで再生を目指したわけだが、それはドン・キホーテにとっても初めての体験で未知への挑戦だった(これが現在のMEGAドン・キホーテ業態の礎になっている)。

 値下げの原資を作るためにコスト削減に徹底的に取り組み、その上で30%以上あった荒利益率も半減に近い水準まで下げ、低価格を追求した。生鮮を中心に食品を強化し、日用消耗品や家庭雑貨も拡充。長崎屋が得意だった衣料品はファッションアイテムを縮小し、実用衣料中心に変え、ドンキの特色であるバラエティ雑貨を導入した。

 仕入れも本部仕一括仕入れの長崎屋のやり方から個店での仕入れに変更。標準化を目指すチェーンストアオペレーションからの脱却を図った。

 これは長崎屋がやってきた手法とは真逆で、反発したり、なじめない社員もいたりして退職者も出たが、それは当然予想されたことであり、残された者で再建を成し遂げた。

今回はよりドン・キホーテらしさが打ち出された

 こうした経緯を頭に入れて大口店の売場を見てみると生鮮を中心に、食品を集客の核とし、日用消耗品を拡充して第2の柱とし、衣料品は実用衣料を強化しているところに多くの共通点が見いだせる。

 さらに、今回は調理家電や理美容家電などの持ち帰り家電を中心に家電や、コスメ、玩具、スポーツウエアも拡充。ドン・キホーテらしさを打ち出すパーティグッズ、時計などの海外ブランド、スマホアクセサリー、電子タバコなども展開している。

 こうした取り組みで、「利便性」に「安さ」「楽しさ」を付加して、狭商圏を掘り起こしながら幅広く集客を図ろうとしている。

 また、利益面では荒利益率より荒利益高を重視。近隣にスーパーマーケットの強力なディスカウンター「オーケー」があることもあり、プライスチェッカーを置き、地域最安値を求めていく考えで、ドン・キホーテとオーケーの価格バトルが激しくなりそうだ。

 売上げは業態転換により、直営ベースで衣料・住居関連品(ライフスタイル・トレンドセレクト)をほぼ倍増させ、食料品(フード・ベーカリー)を約1.3倍まで拡大。店舗全体では直営売上高を150%にする計画(記者会見では語られたが、その後の囲み取材では160%という数字が飛び出した)。

 その結果、食品と非食品の売上高構成比は旧店の7:3から5:5にしていく。GMSの弱体化した衣料や住居関連をドンキ化することでテコ入れを図り、主力の食品も、ユニーの生鮮力とドン・キホーテのグロサリーの商品力を融合。客層は今まではシニアがメインだったが、ファミリー層にも広げ、より幅広い層の取り込みを図っていく。