「寒いなぁ~。鍋が食べたいね! でも材料を買うのも面倒だし、どこか食べに行く?」

 便利な世の中になった今、消費者が外食する理由は、「○○を食べたいから」「○○はつくるのが面倒だから」「とりあえずお腹が減ったから」「仕事などで機会があるから」など、さまざまです。

 外食は内食や中食と違い、消費者に「調理した料理の価値と、その場で食べることの付加価値(設えた空間や健康志向などのメッセージ)」に納得してもらい、プラスαのお金をいただくビジネスです。

 ところが、飽食の時代にもかかわらず、その存在価値を、満腹感を得ることだけにフォーカスし、価格とメニューとボリュームで勝負している企業が多いのはなぜでしょうか?

 それは日本の外食企業が、少子高齢化の時代には高齢者を含む3世代を対象にした大きなパイを獲得しなければ利益を生み出せないと信じ込んでいるからなのです。

生き残るには地元密着で満足感を提案すること!

 外食企業が満腹感を提案するビジネスモデルは、次のようなものです。

『誰もが好きな中華、カレー、ラーメンなどの大衆メニューに絞り込み、来店頻度と売上げをアップさせ、利益を生み出す』

 ところが、一般化したメニューでの戦いは競合企業との価格競争をもたらし、利益率を圧迫することになります。そのため、最終的には新規出店の売上げ頼みになりがちです。

 この手法は人口が減っていく日本では一時的な利益向上にはつながっても、いずれオーバーストア化を招き、不採算店の閉店を余儀なくされます。

 そうなると、外食企業には別のビジネスモデルが必要になるわけですが、それは『地元に密着することでモノがあふれた時代で育った次世代を対象にできる満足感を提案するビジネスモデル』であると、私は思っています。

“今しかない”“ここしかない”で地元顧客を魅了!!

 

 食のメッカと名高いオレゴン州ポートランドに、旬の食材で地元密着を訴求し、顧客満足度を高めてリピートを勝ち取っているピザ専門店「ホットリップスピザ」があります。 

 現在、6店舗を展開中の同社の特徴は「地元産地直送の旬の穫れたて作物(野菜が主)を“今しかない”“ここしかない”期間限定スペシャルピザメニューで提供していることです。 

 

 1984年創業の同社はかつて、ドライトマトを使うグルメピザを売りにしたお店でした。ところが、大手競合企業が価格で訴えてくる中、地元の旬の素材に特化した「生産者に季節外れの素材の作物を強制しない」自然環境に任せた製法を重視するサステナブル(持続可能)経営を導入しました。

 地元獲れたての旬の素材を使った期間限定スペシャルピザメニュー(年に3、4回変わる石臼挽き全粒粉パイ生地の定番商品、ホールウィート〈全粒粉〉スライスピザ〈わらびなど旬の野菜をトッピング〉4ドル25)を開発します。

 “今しかない”鮮度抜群の獲れたて素材は“ここしかない”ピザのトッピングとなり、その希少な旨さが地元住民に満足感を提供したのです。

※ほとんどが地元素材をトッピングにするが一部パイナップルは輸入を使用

サステナブル経営は利益を生み出す仕組みとなる!!!

 ポートランドの地元住民は週末になると毎週開催されるファーマーズマーケットで地元農家の獲れたて野菜を頻繁に購入します。

 その馴染みのある農家が作った旬の素材を使ったピザだから、チェーン店で売っている3ドルのスライスピザよりも1ドル高いホットリップスピザを選ぶのです。

 ホットリップスピザはサステナブル経営では、自然な土壌環境を守ろうと肥料や農薬をできるだけ使わない旬の素材を使うほか、生産者がつくった作物の廃棄ロスをなくそうとしています。その上で期間限定スペシャルピザメニューを売れ筋にすることで、単品の商品回転率を高め、利益をアップさせているのです。

 外食企業の存在意義は、旬の素材の獲れたての鮮度を武器に生産者の作物の廃棄を失くすことで、自然環境を保全する循環型のビジネスを生み出すことでもあります。

 サステナブルを志向すれば、顧客も企業も生産者も共存できる外食のビジネスモデルを構築できる好例が、この「ホットリップスピザ」なのです。

 

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