昭和の時代からクリスマスに次ぐ、日本の「人工催事」として定着したバレンタイン。2018年は推計市場規模約1300億円(6%減)となり、初めてハロウィンの約1305億円を下回る予定ではあるが、経済効果を考えるとまだまだ存在感のあるイベントとなっている。

 日本のバレンタイン文化は(筆者には経験はないが)「下駄箱にチョコレート・校舎の裏に呼ばれて告白の本命チョコ」からスタートし、1980年中頃のバブル景気がスタートしたあたりから、直近までは義理チョコ全盛時代が続いていた。

 しかし、この義理チョコ、「義務チョコ」と化していき、徐々に役割を終えつつあるのはよく知られているところだ。実際、さまざまな調査結果を見ると、義理チョコは女性のおおむね4分3ぐらいがやめて欲しいと思っているようだ。

恵方巻き本格化までは2月売上げを支えていた

 コンビニのバレンタイン催事は『買うのを忘れていた』『数が不足した』などの義理チョコ需要を1980年後半から支えてきた。

 コンビニにとっての2月は稼働日数も少なく、ナショナルブランド商品の春夏新商品の発売直前で、棚替え前の時期。売場が整っていない場合が多く、売上げに苦戦する鬼門の月となる。

 そのため、恵方巻きの展開が本格化するまでは、義理チョコが2月の売上げアップのアクセントとしての肝だったわけだが、業界関係者に聞くと、コンビニのバレンタイン関連商品の売上げは、義理チョコ離れにより、全盛期の8分の1程度になっていると言われているようだ。

ゴディバは限定品で7-11と「義理チョコ市場」を狙った!

 ベルギー発祥の高級チョコで知られるゴディバの日本法人が、義理チョコをもらうビジネスパーソンを読者に持つ日経新聞において、2月1日に「日本は、義理チョコをやめよう。」という新聞広告を打ち、ジェローム・シュシャン社長も「日本人の義理人情や義理堅さは好きだけど義理チョコ違和感がある」と発言している。

 

 とはいうものの、今年、ゴディバ ジャパンはセブン-イレブンと限定品で義理チョコ市場での売上げアップを狙った施策を展開した。

 義理チョコの平均単価は700円強(複数の女性がお金を出して一人の男性に贈る場合も含む)と言われており、セブン-イレブンではゴディバの下記3商品の品揃えを充実させた。

・ゴディバ トリュフアソートメント2粒 345円(税込)

・ゴディバ トリュフアソートメント5粒 760円(税込)

・ゴディバ カレアソートメント 4枚 540円(税込)

 セブン-イレブンで、このゴディバのチョコを買うと1品ごとに専用の紙袋やショッピングバッグまで付き、義理チョコには最適な対応となっている。

 それでもコンビニのバレンタインチョコレートは、包装紙で包まれていないというギフトとしての弱点がある。

 昔のバレンタイン全盛時は、コンビニ本部が包装紙やリボン、シールなどを消耗品登録していたが、関連商品の売上げのダウンと店舗の人手不足や包装技術の欠如などにより、数年前から各チェーンで基本廃止されている。

来年から新しいバレンタイン商戦が幕を開ける?

 セブン-イレブンではここ数年、義理チョコ以外の展開にも力を入れている。こちらは800〜1500円の価格帯が中心。透明のショーケースに、ゴディバをはじめ、メリーチョコレート、銀座千疋屋、モロゾフ、ホテル オークラなどの限定商品を箱に入ったものと中身が見える状態のダブル見本陳列し、本命チョコや友チョコの取り込みを狙っている。

 今年の1月末に、国内の総店舗数が2万店を突破したセブン-イレブンの購買力は各メーカーにとっても売上げ面で魅力があり、来年以降はさらに希少で価値と限定感のある商品を発売すると考えられる。他チェーン含め、来年はコンビニの義理チョコ以外の新しいバレンタイン商戦の幕開けとなるのかもしれない。既にゴディバ ジャパンは、デザートではローソンと組んでおり、チルド商品での鮮度の高いバレンタイン展開も期待されている。

 セブン-イレブンのショーケース販売は、ショールミング効果も期待され、インターネット通販との連動や予約、御用聞きでの販売へと進化していくものと思われる。

 ただし、コンビニのバレンタインはまだまだ義理チョコニーズが中心である。今年は横浜にある駅前立地のセブン-イレブンを定点観測したが、在庫は13日の8時半に62個あったものが、19時には52個。それが14日の8時半には 19個になり、20時には6個とギリギリの緊急購買されたことが見て取れた。