「映像酒場 ロボ基地」にエントランス。秘密の場所に立ち入るような感覚がある。

新しい需要を掘り起こすコラボレーション

 養老乃瀧株式会社(本社/東京・池袋、代表/矢満田敏之)では、昨年11月1日に「映像居酒屋 ロボ基地」をオープンした(池袋の本社ビル3階)。どのような店か概要を述べると「主に1980年代に作成されたロボットアニメを放映するテーマレストラン」である。

 同店のストーリーはこうだ。

「戦士たちが戦いに疲れた身体を癒すために、夜ごと戦士たちが集う非武装地域にある秘密の酒場。所属も階級も関係なく、酒を酌み交わす。スマホに映る歴戦に勇士に思いをはせながら……」

フロアスタッフはテンションを高くして対応。

 接客担当の女性従業員はオレンジ色の整備服姿で、「戦士をねぎらうように」明るく元気に対応する。初めて訪れたお客さまには、さまざまな店の楽しみ方を解説する。

 同店は養老乃瀧が全て企画したのではなく、バンダイナムコグループの株式会社バンプレストと株式会社レッグスとの共同で企画して運営している。レッグスはキャラクターやアニメ等のコンテンツを活用したプロモーション、商品企画等で多くの実績を持つ。

 同店が開発された狙いと展望について、同社執行役員営業本部副本部長の谷酒匡俊氏が解説してくれた。ちなみに谷酒氏は同社が2008年12月に1号店をオープンした低価格の大衆居酒屋「一軒め酒場」の開発担当者である。

低価格均一業態と一線を画し、現在73店舗を展開する「一軒め酒場」。

 この当時、リーマンショックにより客離れを懸念した大衆居酒屋チェーンの多くは「270円」「280円」といった低価格均一料金の業態開発に余念がなかった。そのような中で養老乃瀧はその動向に追随することなく、メニューを絞り、単品ごとに低価格とお値打ちを追究するという路線を採った。その後、低価格均一料金の多くは撤退を余儀なくされたが、一軒め酒場は業績を伸ばし、現在73店舗(2018年1月末現在)となっている。客単価は平均して1500円前後となっていている。

 10年前の大衆居酒屋チェーンにおける低価格競争に一石を投じた谷酒氏は、当時の動向をこのように総括している。

「一軒め酒場が好調を維持できたのは価格が低価格均一でなかったから。価格ありきの商品設計でないため、メニューの価値に応じたメニュー政策やメニューを改善しようとしたときに、価格に縛られることなく改善することができた」

 そして、これからの動向についてはこう語る。

「食材も人件費も高騰していることから、現状の価格を維持し続けることは難しい。価格や内容を見直すことも視野に入れておかなくてはなりません。必要とあらばAI、ロボットの対策について取り組む必要もあるのではないでしょうか」

 このように、一軒め居酒屋もロボ基地も開発の狙いは「新しい需要を掘り起こす」という意味で同一であるという。