新春初売り都心店を中心に百貨店、ファッションビルとも前年並みから5~15%の伸長が見られたようだ。一部、家電量販店の初売りには転売目的客などによる買い占めがテレビでも取り上げていたようだが、おおむね好調な滑り出しだった。

 2012年夏から定価販売強化の方針で冬物SALEの開始を遅らせていた三越伊勢丹も1月4日からと、他社とほぼ横並びに戻した。各社、月の中旬くらいまでは冬物セールで賑わい、後半から春物が本格スタート。

 東京都内でも4年振りの20cmクラス積雪に見舞われたのが22(月)、23(火)の両日で早期閉店対応した店舗などあったが、週頭でもあったことから商戦への影響は軽微だったと思われる。しかし、日本海側や北日本では大雪に見舞われ、特に月後半を中心に入店率が下がって売上げに影響した店舗が多かったのではと推察する。特に食品業態が隣接しない衣料品単独店舗は前年比を大きく割り込んだようだ。

*しまむらの既存店「売上高95.6%、客数101.1%、客単価 96.9%」

*ライトオンの既存店「売上高93.9%、客数90.0%、客単価104.3%」

 しまむらは昨年の9月以降5カ月連続既存店売上高が前年割れ。年末にテレビCMを放映したカウントダウンSALEの目玉の900円のレディスニット敷パッド等は売れた。

 年明けの新学期準備入学入園スーツ類も売れた。服飾雑貨ではニットキャップが不調の中「洗えるニットキャップ」が昨年に引き続きヒット、980円で便利機能をうたえたことで他社と差別化が図れた。月度後半は寒波来襲によって北陸、西日本の一部で大雪に見舞われ、売上げが伸び悩み。2017年2月~11の業績は減収減益で今期決算も同様の結果となる公算が高いと思われる。13年振りに社長が交代、野中正人社長は代表権のある会長に就き、出遅れているインターネット対応を急ぐ。今後は会長、社長2トップ態勢でよりスピーディな経営判断を目指していく構えのようだ。

 ライトオンはアウターを中心とした冬物商品や梅春物のニットが堅調に売上推移したものの、客数が伸ばし切れず、既存店売上高は前年同月比でマイナスになった。毎月、いろいろな若手アーティストが掲載されたフリーペーパーの配布を行い、店内ポスターを掲示。HMVとのコラボレーション企画で起用されたのは片平里奈だった。人気のLeeブランドのコーデュロイ素材のシャツワンピマザーズバッグ、ロゴ入りの裏毛パーカー等は人気。USAのLevisの501ジーンズは引き続き、売れているようだ。しかし、売上げ以上に客数を落としているのは客離れを止められていない可能性が高い。

アダストリアの既存店「売上高97.6%、客数101.1%、客単価96.5%」

ユナイテッドアローズの既存店「売上高96.9%*1、客数94.4%、客単価99.6%」

  アダストリアの1月だが、全国的に気温が前年より低く、大雪となる日もあって、既存店売上高は前年割れ。ブランド別ではスタディオクリップ、ニコアンド、ベイフロー、バンヤードストーム等が好調だった。売上げ構成の大半は冬物セール品で、メンズではL寸着丈84cmクラスのダウンコートやベーシックなプレントゥシューズレディスではノーカラー(衿)でM寸着丈102cmクラスのVネックガウンコートや後ろウエストゴム仕様でグレンチェックテーパードパンツが売れたようだ。ニコアンドの杢ミックスラグマット(140×180と185×185の2サイズ)は年末にかけて売れたようだ。純粋にラグとしての使用の他に、部屋でくつろげるブランケットとしての2次利用で用途も広げられた。前月の指摘と同様に旗艦ブランドのグローバルワーク、ローリーズファームの復調が待たれるところだ。

 6カ月振りに前年同月比の既存店売上高を割ったユナイテッドアローズ。冬物セール商品の品薄感により、例年の売上げの柱が弱含んでしまい、客数、客単価ともマイナスとなった。3Q累計によれば、各事業とも増収増益で最終着地も当初計画通りの前期比105.7%の売上高1538億59百万円、営業利益99億53百万円(前期比108.6%)を見込む。特にネット販売が好調で前年同期比120.8%と高い伸びを記録した。ハウスカード、オンライン会員の統合やブランドサイトとオンラインサイトの統合などにより伸長した。また、段階的に導入しているRFIDタグによる業務の軽減と残業時間、物流コストなどの改善も見られているようだ。

 商品動向では、セレモニー、オフィスに兼用できそうな商品の動きが活発で、レディスでは2wayノーカラーフードコートやノーカラージャケット、セットアップなど。メンズはレザートートやインナーダウンベストやステンカラーコートといったビジネスに対応できる商品がこの時期として底堅い。

無印良品の既存店「売上高117.1%*2、客数106.5%、客単価99.5%」

ユニクロの既存店「売上高97.6%、客数95.0%、客単価 102.6%」

  1月の主要各社の中で、既存店売上高がクリアしたのは無印良品のみ。裏を返すと冬物商品の在庫がしっかりあったとも取れる。商品動向もレディス、メンズともフレンチダウンや「首のチクチクをおさえた洗えるセーター」と冬物商材が中心だ。靴下やパジャマも売れたようで生活雑貨ではタオル、スリッパ等が堅調な動きを見せた。化粧水の人気も引き続き、根強い。特にレディスの軽量フレンチダウンノーカラーブルゾンは12月初旬には店頭から商品が消え、一部カラーを限定して再販対応した模様。パッカブル仕様ではあるが、そんな機能性より表面のノーステッチとノーカラーのバランスの良さが受けたと思われる。

 ユニクロ5カ月振りに既存店売上高の前年同月比を割り込んだ。11月の「感謝祭」、12月の「歳末祭」、年明けは「新年祭」と3カ月連続「祭」も、ここに来て息切れした模様。特に売上高指数の高い11月、12月を+8.9%、+18.1%も伸ばした反動も考えられる。が、ユニクロにしてみても予想外の寒波の影響からか、冬物商品の品薄感は他社と同様。売場は早々に春物が展開されているものの、1月に売れた商品はウルトラライトダウンやシームレスダウン、暖パンやヒートテックといった冬商材のセールスが好調だった模様。