「ユナイテッドアローズ」の店舗にはRFIDを19年春夏に導入する。
 

 

 セレクトショップ大手のユナイテッドアローズはRFID(無線自動識別)を全社に導入する。既にSPA(製造小売業)型の「グリーンレーベル リラクシング」(GLR)と郊外ショッピングセンターに出店している子会社の「コーエン」では導入済みだが、生産性の向上に効果があると判断し、来秋冬から順次、他ブランドにも広げる。3年後の2021年3月期には全社への導入を完了する。

 18年秋冬にウイメンズの「ドゥロワー」と「ジュエルチェンジズ」、婦人靴の「オデット エ オディール」、駅立地の小型店「ステーションストア」に導入する。19年春夏には主力の「ユナイテッドアローズ」と同カジュアルラインの「ビューティ&ユース」に拡大し、20年春夏にはアウトレットストアの専用品にも導入する。

 ICタグを商品に付けてその発する電波で情報を読み取るRFIDを同社は既に14年春夏からGLRに導入、16年秋冬からはコーエンにも広げている他、一部小型ブランドや事業内事業にも導入している。

「グリーンレーベル リラクシング」では既に導入効果が表れている。
 

 これら先行ブランドでは導入効果が顕著に表れている。最も効果が高いのが棚卸し業務の軽減だ。GLRでは1店舗で1回の棚卸しにかかる人時数が導入前には86.5人時だったのが導入後は13.5人時で済み、約84%も人時数が削減された。これによって販売スタッフの負荷が軽減され、同時に棚卸し精度も向上した。

 同時に店舗出荷業務も軽減された。大量の商品をスキャンするのも短時間で済み、またタグが隠れている商品も簡単にスキャンできるからだ。店舗へのアンケートによると出荷時のスキャン時間は3割から5割減ったという。

 また会計レジで使用することにより、お客の待ち時間が減って顧客満足の向上につながった。繁忙期の会計待ち時間はかつては平均20~30分だったのが10~15分に半減したという。

 この他、業務の効率化に伴ってGLRでは残業時間が他の主要事業の約78%に抑制された。コーエンでは物流センターにRFID読み取り機を設置しているが、これによって売上高に占める物流関連コストの割合が今年4~12月では1ポイント弱改善されたという。

 こうした実店舗の効率的な運営によって販売スタッフの働く環境が改善でき、採用難に対応できると同社ではみている。またコーエン以外でも物流センターにRFID読み取り機を導入する予定で、物流コストが低減できるともくろむ。

 将来的にはRFIDをマーチャンダイジング(MD)の分析にも活用する計画で、商品動向の詳細な把握によってMDの精度や在庫効率の向上につなげたい考えだ。

 同社のRFIDへの投資額は毎年数億円規模とみられる。