少子高齢化の進む日本で今、食品小売業は最大で最後の人口マーケット「団塊の世代」(1947~1949または1951年まで)を対象にビジネスを展開しようとしています。

 1000万人を対象にした、そのビジネスとは「健康を志向するQOL(人生の質)を提案し、アンチエイジングを訴求することで消費を促そうとするもの」です。

今の提案方法では消費者に効能が伝わっていない!!

 アンチエイジングは抗加齢、すなわち老化を遅らせることを意味し、食習慣を改善して、老化の3大要素を予防することを目的にしています。

 その3大要素とは、

①「酸化」(予防:油や添加物など気を付ける/原因:活性酸素)

②「糖化」(予防:加工食品を避ける食生活と運動/原因:糖とタンパク質や脂質が結び付くこと)

③「炎症」(予防:酵素により免疫力アップ、使用油を注意/原因:特に腸や血管の健康な細胞を破壊すること)

です。

 昨今、店頭にココナッツオイルやスーパーフード、ドライフルーツ、ナッツ、コールドプレスジュースなどが陳列されているのをよく見ますが、これは団塊の世代の常に若々しくありたいと願う気持ちをくすぐり、これらを朝食の一アイテムに加えてもらいたいという試みのようです。

 しかし、これらの商品はセレブたちがメディアで発信するダイエット食品としての効果のみが強調され、対象とする60代後半層の消費者にアンチエイジング本来の効能がうまく伝わりませんでした。

フルーツグラノーラを使って3つの訴求をする!!

 団塊世代の健康志向の高まりに向けて店頭に並んだドライフルーツやナッツは、その後、オーツ麦を主原料にした全粒粉を使ったグラノーラの出現、つくる手軽さと健康とダイエットの3つが叶えられるフルーツグラノーラの登場をきっかけに、便利な朝食アイテムとしての地位を確立します。

 スーパーマーケット(SM)はこの好機を捉え、フルーツグラノーラの人気を単なるブームに終わらせないことが重要です。

 今こそ、消費者にグラノーラ本来の機能(食物繊維が腸内環境を整える)を売場演出で伝えられれば、アンチエイジングのための食習慣の提案が可能となり、地域に不可欠なお店となるでしょう。

 そのためにはアンチエイジングというテーマで売場をくくり、次の3つを軸に訴求することが効果的です。

①食べ方の訴求

 フルーツグラノーラに隣接して、さまざまなドライフルーツやナッツのバルク販売をし、カラフルさを演出。中央にグラノーラと素材のオートミールや全粒粉を使った商品を配置し、砂糖(できれば自然な砂糖)やココナッツオイルなどで関連陳列を実施。朝食サンプル(ボウルにグラノーラとドライフルーツやナッツをミックスしたもの)を見せ、ヘルシーな朝食を連想させ、効能をPOPで記載する。

②スタイルの訴求

 フルーツグラノーラとココナッツオイルやスーパーフード、コールドプレスジュースを旬のフルーツとドライフルーツとカラーコーディネートさせながら関連陳列。グラノーラとトロピカルフルーツ(ドラゴンフルーツやパイナップルなど)の組み合わせは非日常感のある朝食を連想させるので、そのおしゃれなライフスタイルをアンチエイジング(おしゃれな生活)という言葉とともにPOPで演出する。

③おいしさの訴求

 フルーツグラノーラとさまざまなフルーツのおいしい組み合わせを提案する。パッケージデザインの異なるグラノーラ数種類と多彩なカラーのフルーツで売場をつくり、POPの文字もカラーで演出する。

 このようにフルーツグラノーラの売れ筋商品を中心に据え、アンチエイジングという言葉から連想できる朝食のイメージを売場で表現する。これができれば、団塊世代は毎日の朝食が健康な暮らしには重要だと感じ、アンチエイジングを通して食べ物に興味を持ち始めてくれるようになるでしょう。

SMに不可欠な食育は地域密着も可能にする!!

 高齢化が顕著な日本で、食に対する意識を高めることはSMの使命と言えます。消費者の多くが安全・安心を求めながら価格だけしか見ていないのは、売る側が食べることの意味を「満腹にすること」と捉えていることが原因かもしれません。

 フルーツグラノーラというヒット商品を売上獲得のアイテムと認識するだけでなく、アンチエイジングというキーワードで消費者が食材に関心を持ち始めるきっかけにすることが重要です。

 それができれば、地元の顧客の評価が『人気の商品が必ずあるお店』から『体によい食事ができるお店』へと変わります。

 SMが今後すべきことは、健康になれる食生活が可能となるお店をつくり、消費者の食に対する意識を向上させていくことなのです。