山田 敏夫 ライフスタイルアクセント(株) 店舗名「ファクトリエ」

 1982年、熊本県生まれ。大学在学中にフランスへ留学。グッチパリ店勤務。大学卒業後、ベンチャー企業や東京ガールズコレクション通販サイトの運営を経て、2012年、ライフスタイルアクセント設立、「ファクトリエ」の展開を開始。
(山田氏の講演は2月22日10時40分より)



「全ての商品にストーリーがある。何が素晴らしいのかを語るし、語れるものしか販売しない」

 工場直結アパレルブランド「ファクトリエ」を立ち上げたライフスタイルアクセントの山田敏夫社長はこう語る。

 海外のファストファッションの台頭などにより、国内生産比率が3%にまで低下した日本製アパレル。低迷した国内生産の現場を元気にしたいとスタートさせた。

 東京・銀座の裏通りにあるオフィスビル3階にあるのが「ファクトリエ」銀座店。フィッティングスペースとされる店内にはシャツやカーディガン、バッグなどの商品の他に縫製工場やそこで働く人の写真、糸や素材が展示されている。店では商品を見たり、触ったりできるが、現品販売はしない。お客は店内端末を使ってネット通販で購入する。こうした直営店は名古屋、熊本合わせて3店舗展開されている。

 店では「ものづくりカレッジ」と題して、つくり手と使い手の交流イベントを定期的に行う。店は、工場の職人やデザイナーを招き、直接お客さまに商品の良さやつくり手のこだわりを伝える場なのである。またファッションに限らず、各業界で活躍する人を招くことも。

 熊本市内の商店街にある老舗婦人服店の次男として生まれた山田氏は、常に目の前のお客さまを大切にする親の姿から商売を学んだ。大学在学中にフランスへ留学、グッチパリ店に勤務。「本物のブランドはものづくりから生まれる」ことを学び、起業を決意。会社設立に際し、全国の約600の工場に足を運び、生産の現場を見続け、交渉を行った。工場から信頼を得るまでに相当の時間を要したが、「日本のものづくりを世に示したい」との熱意が多くの工場を動かした。

 ネット通販の伸長も工場直結ブランドの広がりを後押しする。また、SNSの普及も費用対効果の高いプロモーションを可能にしている。

「今は“天の時”。そしてアジアの急成長も日本にとって“地の利”になっている。それを大切にしたい。日本でもっとものづくりの仲間を増やしたい」

(この記事は「商業界」2018年1月号の山田敏夫氏へのインタビュー記事を元に構成しました)

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