(写真と本文は関係ありません)

 48年ぶりという寒気が日本列島を襲った先週、毎月恒例の売場運用指導に某クライアントの店舗を訪れたが、零下4℃という早朝の冷気の中、計画通りの春物打ち出し優先レイアウトにびっくり!皆が震え上がっているのに薄手の春物なんか動くわけないでしょ!と消化が進まず積み上がった冬物セール品を優先するレイアウトに一変させる大作業となった。

 売場運用指導はクライアントの基準店舗で開店前の早朝に行うもので、クライアント側の組んだ編成を点検して修正し、営業上や在庫運用上の指針やスキルを提示する。それに基づいて営業スタッフやVMDerが「VMD指示書」を作成してグループウエアで全店へ送り、各店が実行したビジュアルを確認・修正指示するルーチンになる。

 売場運用の基本はシーズンMDの切り替えと在庫消化だが、計画と現実は少なからずズレるものだし“想定外”の事態も頻発する。1月も第4週ともなれば冬物セールも最終段階で春物を立ち上げて拡げ始めるサイクルだが、48年ぶりという異常寒波では時計を戻すしかない。指摘されて初めてそれに気が付くようでは営業センスがいまひとつということになる。

 とまれ、開店までの2時間かけて私の指示下、営業部と商品部合わせて十数人が全力で編成替えを行った。そのポイントは以下の2点だ。

1)春物打ち出しを最前列島と壁面前方にまとめ(集約はしないで薄く拡げる)、島面第2列以降とその壁側を連携して冬物セール品をぎっしり集積。

2)テイスト別グルービングのままだった冬物セール品を防寒アウターとニットはアイテム別グルーピングに替えてカラー配列集積。価格とボリュームを訴求するとともに、ハンギングのアウターは前面、棚積みのニットは上面に春色を配して鮮度感に留意した。

 寒波を機会に冬物在庫の消化を図り、寒波が去ったら計画通りの編成に戻して春物を全面に拡げるという“臨機応変”の運用で当たり前と言えばそれまでだが、組織が大きくなって本部が数字に依存し現場から乖離すると現実とのギャップが生じることがある。本部が現場の実情を足と目で確かめるフットワークと臨機応変な営業センスを失っては、現場を搾取する官僚組織に堕してしまう。気を付けましょうね。