「女性では晴れ着の7割がレンタル」(娘談)

 では、今年の成人式の晴れ着のトレンドはというと、地色は赤系、青系、ベージュ、黒、緑など多種多様で柄が多めで、華やかなデザインが多かったようです。

 東京・大田区で式に参加した私の娘によると、成人式に参加した女性の9割が晴れ着で、1割が洋装。晴れ着のうち、レンタルの活用者は7割で、親類等から譲り受け人が2割、新品購入は1割の構成比。男子の方は9割がスーツで、和服は1割未満だった模様。

 これは娘の友人たちを基にした印象なので、正確さには欠けるものの、晴れ着のレンタル活用が7割とは、今回の「はれのひ」が起こした問題の社会的な影響は大きいと改めて考えさせられました。

 男の子を持つ家族に聞いてみたところ、男の子は大学などの入学式にそろえたスーツを併用するケースが主流。人気のある購入先は最寄り駅近くに出店している大手2プライス業態店で手配した家族が多かったようです。

 高校を卒業したての一般的な男の子の場合、まだ洋服やファッションに強いこだわりを持つ子は少ない。まして正装となると知識やルールを知らないケースがほとんど。となると、主に母親主導で買いに行くことになりますが、今度は母親たちグループ内のクチコミが大きな影響力を持つことになります。特に影響力のある(この場合、母親グループ内でオシャレと認知されている)母親の発言から、見に行くあるいは購入する店舗が決められていくようなのです。

「晴れ着ってその後、何回着るの?」で、結局……

(編集部・注)30年前に、著者が成人式に参加したときの写真。「当時、『ジャンポールゴルチェ』が、彗星のごとく話題になりまして。今でいうVETEMENTS みたいな感じで代官山に直営店がオープンしたてに広島から上京して、値段が高くて。唯一購入できたのが、白いトレーナーでした。袖に入っているこの『ロシア文字』が新鮮で、寒さに関わらず成人式に着ていった想い出の1枚です」(磯部孝)

 ところが、女の子の場合となると大いに事情が変わります。男の子同様に大学、専門学校の入学式との併用も考えられますが、嫌がる娘さんが多いかもしれないからです。祖母から親、そして子へと伝承できるケースもあるかもしれませんが、実は着物にだって流行はあります。「じゃあ、晴れ着ってその後、何回ぐらい着るの?」となると、洋装に馴染んだ祖母、母親たちの経験から考えるとあまり前向きな答えは期待できません。だから、レンタル活用が7割となるわけです。

 今回、「はれのひ」による被害を受けた新成人は300人に上ると見られています。新成人以外にも2年先の予約まで済ませていた人もいると聞き、わずかながらも支援しようとする動きも各方面で広がりつつあるようですが、今回、起きた事件は本当に罪深いと思います。

 行き過ぎを感じてしまう営業手法、利用者が安心できる決済。誰しも訪れる人生の晴れ舞台、本人も周りの家族たちも、皆なハッピィーな気分で楽しめる「成人式」が迎えられるように、心より願いたいものです。