※著者のお嬢さんご本人の希望により、モザイクをかけています(編集部)

 私の娘が今年、成人式を迎えました。

 と言うと、残念なのは「大丈夫でした?」とか、「被害に遭わなかったの?」と聞かれてしまうことです。

 今年の成人式は、横浜市の貸衣装会社「はれのひ」の突然の業務停止による被害報道一色になってしまいました。

 後年、振り返っても、2018年の成人式は「はれのひ」事件が起こった年として多くの人に記憶されてしまうことになりそうですね。現在も責任者不在、さらに被害が広がりを見せており、今回の事件をきっかけに、これからの成人式の晴れ着ビジネスそのものが影響、変化していくことが想像されます。

 今回は、そんな騒動も含め、現在の成人式ビジネスについて少し考えてみたいと思います。

学習塾と着物に多い執拗なセールス電話

 2018年に迎えた成人は推計約123万人で、8年連続して総人口の1%を割り込む見込み。経済産業省が2015年6月にまとめた報告書によれば、呉服小売額は1975年頃の約1兆8000億円をピークに2013年は約3000億円と6分の1にまで減少しています。少子化による新成人の減少も含め、成人式に向けた物販の市場規模は今後、ますますシュリンクすることが想像されます。

 市場規模が縮小傾向にある中、執拗にセールスの電話がかかってくるのが『学習塾と着物』。小、中学生の名札制度廃止やクラス名簿への住所不掲載に見られるように、個人情報の取り扱いが慎重に行われている反面、われわれの個人情報も商品化され、私たちの知らないところで名簿が売買されるのでしょう。

 その証拠に、ピンポイントで勧誘の電話やハガキが届きます。うちも、今回の「はれのひ」からも電話勧誘があったかもしれません。この辺りのビジネスは1年前から営業活動をするだとか、本当に用意周到な感じです。面倒なので、わが家では常に「家人は居ない」ということで対応していましたが、本当に迷惑な勧誘が続きました。

トレンドや流行で「着るものが変わる」

 そもそも、成人式とは戦後に設けられた行事で、なんでも始めは埼玉県蕨市で行われた「青年祭」がルーツとされおり、この「青年祭」が「成年式」となって全国に広まったそうです。そして、蕨市の「青年祭」の影響から、日本国政府が1948年(昭和23年)に公布・施行した祝日法によって1月15日を成人の日として制定しました。その後、1998年の祝日法改正(ハッピーマンデー制度)に伴って、2000年より成人の日は1月第2月曜日と現在の形に収まっています。

 成人の日の趣旨は『大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます』。成人式は自治体単位で催されることから、毎年20歳を迎える若者たちは半ばプチ同窓会のような気分で、参加することを楽しみにしている子たちが大勢を占めています。

 この「自治体単位で催されること」で、地方感が色濃く反映されるのも面白いところです。東京でさえ新宿区となると45.8%と約半数の新成人が外国人。成人式のくす玉には日本語の他に英語とハングル語を併記したそうです。コリアンタウンを含め、多国籍の飲食・小売店が多いことが理由として挙げられますが、さすが新宿、国際色豊な雰囲気が味わえそう。

 家庭を持ち、子供が産まれると、七五三や入学・卒業と、わが子を介してさまざまなイベントに立ち合うことになりますが、面白いもので、その時々でトレンドや流行が必ず影響してきます。

 例えば、小学校の卒業式。数年前に卒業式を迎えた女の子のトレンドはブレザーにタータンチェックのフレアミニといった、いかにも制服風なスタイリングだったのですが、ある年には羽織袴の大正レトロ的な和装が流行ったりする。

 まぁ、参加する親の方でもセレモニースーツにも当然、流行は存在するので当たり前といえば当たり前。小売各社も、年明けの冬物バーゲンが落ち着いた後は、新たな気分で「新しさ」を感じられる色とスタイリングを取り入れたセレモニースタイルの販売に力を入れます。