ファッション企業大手の2017年12月商戦の結果について検証した。

 昨年はシベリア高気圧の張り出しの影響からか例年と比べ寒い12月だった。東京都心の12月の平均気温は最高11.1℃、最低2.8℃と、例年から2℃ほど低く推移した。近年で見ると2014年並みの低気温による推移だが、11月が暖かく、12月に入って一気に冷え込んだ2014年に比べ、2017年は11月から継続して低温で推移し、例年にない防寒衣料の当たり年といえるだろう。

 ファッショントレンドから見ると大きく市場全体をけん引するようなビッグヒット商品が不在の中、比較的、各社堅調な数字を記録できているのは、株高に伝えられる好況感が、何となく消費者の財布のひもを緩ませているのだろう。

 経団連発表の大手企業を対象とした2017年の年末賞与・一時金に関する最終集計結果によると、全体的には2016年末と比べて0.01%の増加。非製造業では6.16%の増加といったあたりも影響しているのではと考える。

しまむら* 既存店売上高99.8% 、客数103.1%、客単価99.3%

ライトオン* 既存店売上高100.0%、客数100.6%、客単価99.4%

 しまむらは4カ月連続で既存店売上高が前年割れ。一昨年も大ヒットした「裏地あったかパンツ」は引き続き好調とのことだが、ファー使いコートやジャケット等のトレンド商品の販売が伸び悩んだそうだ。

 2017年11月の2100店舗記念セールの「210円」に象徴されるように、「300円」「500円」「700円」「900円」と低価格を前面に打ち出した施策が印象的。客数は伸ばしつつも客単価割れが続くのは、思いの他、「2900円」「3900円」「4900円」といった価格帯の商品の売れ行きが伸び悩んでいると思われる。

 従来のチラシによる集客からテレビCMやWEBによる販促に力を入れ、最適配置を研究した「2016年型レイアウト」を542店舗で変更実施したことで、売場環境も整いつつある今後に期待したい。

 2016年11月から13カ月ぶりに既存店売上高を前年度クリアできたライトオン。2017年12月はブラックフライデーセールにおいて売上げが伸長したようだ。

 同社のアップセル(2枚目半額)効果も薄れ始めたころ、NBブランドを中心にした品揃えであることが、客数減、客単価上昇による前年度割れをもたらした要因のではないかと推察する。

 久方に既存店が前年度をクリアできたが、それを「客数アップ、客単価ダウン」で達成できたあたりに、今後の活路が見いだせるのではなかろうか。

アダストリア 既存店売上高99.9%、客数103.8%、客単価96.2%

ユナイテッドアローズ 既存店売上高104.8%*1、客数99.9%、客単価101.5%

 月末締め企業にとって2017年12月は休日が1日少なかった中で、既存店売上高が99.9%だったアダストリア。特に、今月はニコアンドのミニオンズとの協業イベントやメンズ部門が好調だったようだ。

 気温も低温に推移したこともプラスになったレディスではウール素材のコート類、メンズでもチェスターコートといった丈長アウターが動いたという。2017年は6、7、8月が不調だった同社にとって、旗艦ブランドのグローバルワークの本格的な業績の回復(第3四半期累計101.5%)の状況に注目していきたい。

 5カ月連続して前年同月比の既存店売上高をクリアしたユナイテッドアローズ。UA(ユナイテッドアローズ)事業、GLR(グリーンレーベルリラクシング)事業、SBU(スモールビジネスユニット)事業の各事業とも堅調に業績を推移している模様だ。

 特に、レディスが好調のようで、ウール系のノーカラーor 2way仕様のコートやボリューム感のある大判サイズ(180×70cm)のチェックストールといった服飾雑貨が動いたようだ。

 中でもネット販売が伸長していて第2四半期末までで前年同月比120.9%と好調、2017年12月は同社の強みの一つでもあるハウスカード会員向けセールが順調に滑り出したことも業績を下支えた。