まずは小売各社の営業総収入から小売業界を概観してみよう。有名なあの会社はどのくらいの企業規模だろうか。

 小売業は流通の最も川下に位置し、最終消費者との接点になる。極めて多様性に富み、動きが激しい業界である。まず、流通業界の中でも小売業について、日本にどのような企業があり、どれくらいの売上げがあるのかを見てみよう。

 図表1のグラフでは子会社やグループ企業の売上げをグループ全体の売上げとして合計している。

 イオンとセブン&アイ・ホールディングス(HD)が10年以上トップ2を占めており、上位6社までは2015年度から変動はない。

 イオンは8.2兆円、セブン&アイ・HDは5.8兆円と、3位以下の追随を許さない勢いではあるが、これらはグループ全体の数値であり、GMS(総合スーパー)のみでの売り上げではないことに注意。2015年度から、イオンは増収増益、セブンは減収ではあるが連続増益である。

 上位10社中4社をGMSが占め、百貨店が3社、家電量販店が2社、衣料品チェーンが1社という構成だ。ファーストリテイリングは、2015年度の4位から3位に上昇し、ユニーグループ・HDがファミリーマートと統合して2ランク下がるなど順位の変動はあるが、顔ぶれは2015年度と変化はない。

 ここ数年で特筆すべきは、Dg.S(ドラッグストア)の競争が過熱していることである。イオンの数値に入るためグラフには現れていないが、16年度にはウエルシアHDがマツモトキヨシHDを抜き、業界1位となった。他の業態と比較しても、今後の伸びが予想される、注目の業態である。

図表1 2016年度 日本の小売企業営業総収入ランキング
GMS=総合スーパー、AP=衣料品チェーン、HA=家電量販店、DP=百貨店、DS=ディスカウントストア、SM=スーパーマーケット、CVS=コンビニエンスストア、Dg.S=ドラッグストア、SS=専門店、NET=ネット通販、HC=ホームセンター(『販売革新』2017年7月号より改変)