(3)一括物流―ITを活用したシステムによる効率化

図表3

 一括物流では、適正在庫量の発注、納品、返品まで、商取引全体のルールが取り決められ、多くはコンピューター同士の電子情報交換システム(EDI)が整備されている。これにより取引先の絞り込みなど商流の再編につながり、店舗の収益性が向上する。

▼用語解説
EDI:Electronic Data Interchangeの略。異なる組織の間で通信回線を介して、取引のメッセージをコンピューター上でやり取りすること。情報の流れと蓄積を共有化できて、日常業務から経営戦略にまで活用できる。

 図表3の①は、小売業が運営する一括物流センターのDCにメーカーの商品が納品、在庫され、店舗の発注を受けて、そこで商品が店舗別に仕分けピッキングされて配送される場合である。PB商品や輸入食品など、どちらかといえば商品回転率が低い商品群などが対象となる。

▼用語解説
DC:デイストリビューション(distribution / 流通)センターの略。在庫を持つ在庫型センターのこと。

 DCが在庫型なのに対して、②は在庫をしない通過型のTC経由で各店舗に納品されるシステムである。ペットボトル飲料やカップ麺といった、毎日納品など商品回転率が高く、運送トラック単位やパレット単位など発注ロットが大きい商品に適している。

▼用語解説
TC:トランスファー(transfer / 移動)センターの略。問屋物流を中継する場合やメーカー直送の場合もあるが、ともに在庫をしない通過型センターのこと。

 ①と②が卸売業の倉庫を経由せず、メーカーから、直接小売業の一括物流センターに納品されるのに対して、いったん卸売業を経由してTCから店舗へ届くというシステムが③である。小口配送など比較的発注数が少ない商品(スパイス、農水産乾物など)が該当する。

 ①~③の使い分けはケースバイケースであるが、時流となってきたこだわり度の高い「プレミアム商品」はメーカー直納、生鮮加工品であれば産地直送で、①や②の経路であることが多い。特に、自社しか扱わない、逆に言えば他社に扱わせない「留型(とめがた)」(自社の仕様で作るがメーカーのブランドを使い、小売業の社名が出ない商品)商品が①や②になる場合がある。一方、ローカルブランドの商品は卸売業経由の③であることが多い。

 なお、現代の日本の商習慣では、物流が問屋を経由する、しないにかかわらず、商流であるお金の支払いは指定問屋からとなることがほとんどだ。しかし、お金もメーカーへ直接流れる「メーカー直取り引き」も少しずつ増えている。

DCやTCでは何をやっているのか

 一括物流センターの中では、どういう作業が行われているのだろうか。

DCの場合

 メーカーからDCに商品が入荷した後は、まず商品ごとに、倉庫内の決められた場所に保管する保管作業がある。次に店舗別に仕分けし、トラックに積み込む荷役作業。そして在庫保管情報や積み込み情報などとリンクさせて各店舗からの発注商品を受注し、仕分け明細処理(ピッキングデータ)をするという情報管理作業がある。また、ガラス容器入り商品などの場合、破損防止のための包装・梱包作業もある。そして、店舗ごとに商品が仕分けされたカーゴ車や台車がトラックに積み込まれて次の輸送作業となる。

TCの場合

 原則として保管作業がなく、大量商品などであれば仕分け作業もない場合がある。卸売業を経由する場合、小売業のTCに卸売業から店舗ごとに仕分けされた状態で入荷され、その後、各店舗へ配送される。

 小売各社は、マーチャンダイジングでの個性を出すべく、これらのシステムを効果的に使い分けたい。いずれの経路も、物流センターの運営が、小売業の1事業所としての直営の位置づけなのか、物流企業に運営を委託するのかは、企業の戦略によって違ってくる。さらなるマーチャンダイジングの深化のためには、ロジスティクスの追求が求められる。